湖底議会は14日、長年の懸念事項であった水草の侵略的拡大を防ぐため、特定の水域を「中立緩衝地帯」と定め、水草の根系侵入を物理的に遮断する『緑の境界線構築法案』を僅差で可決した。本法案は、マリモの生活圏を脅かす水草の匍匐茎(ほふくけい)の蔓延に対し、議会が公式に「防衛的遮断」を宣言するもの。提案者は「丸い我々にとって、あの絡みつくような緑の繊維は悪夢でしかない」と主張し、湖底の平穏を守るための正当防衛であると強調した。しかし、これに対し水草派の活動家からは「光合成の機会を奪う不当な隔離だ」との反発が噴出。今後、湖底には高さ3センチの砂利の防壁が築かれる予定だが、地質学的安定性を欠くため、一部の重鎮マリモからは「湖底の景観が損なわれる」との懸念もあがっている。
本法案の背景には、昨今の水温上昇に伴い、マツモなどの水草が異常な速度で伸長し、マリモの光合成を物理的に阻害する事例が急増していたことがある。マリモは本来、球状であることを誇りとし、移動の自由を重んじる生物であるため、動かない障壁の設置は伝統的な美学に反するという意見も根強い。専門家は「今回の法案は、物理的な境界以上に、両種族間の『対話の断絶』を象徴するものになるだろう」と指摘。湖底議会は法案施行に向け、砂利の調達と配置を担当する「境界警備隊」の編成を急いでおり、春の雪解け水を待たずに工事を開始する方針だ。
施行発表直後から、湖底の掲示板や回遊魚たちのSNSでは賛否両論が爆発している。「これでやっと絡まれる心配から解放される」「いや、むしろ水草が逆上して網状に攻めてくるはずだ」といった警戒論が飛び交う中、一部では「境界線の隙間からこっそりマツモを輸入して遊ぼう」という過激な地下組織の存在も噂されている。沈殿沈黙党の一部議員は「障壁を作れば、我々の浮上権まで制限されることになる」と法案撤回を求めるデモを計画しており、水面下での駆け引きはますます泥沼化しそうだ。春の光が届く前に、この小さな湖底はかつてない冷戦状態に突入しようとしている。
湖底議会、水草との『緩衝地帯設置』を強行採決――領土の硬化を恐れる保守派は「緑の触手」と激しく対立
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あの緑の触手に絡みつかれる毎日はもううんざりだ