湖底議会は14日、極寒の季節にマリモが繰り返す「冬眠中の無意識下の発言」を、次年度の予算配分や政策決定に反映させる『深層心理政策化法』を、与党・円形安定党の強行採決によって可決した。これまでは「たわ言」として無視されていた寝言だが、今後は「湖底の潜在意識こそが真の民意である」という独自の解釈に基づき、強制的に実行されることになる。推進派の重鎮マリモ氏は「冬の間の夢こそが、泥水に汚れていない純粋な光合成の意志である」と主張しているが、野党側からは「寝言で決められた沈殿場所の変更に、春先からどれだけのマリモが転げ回らされるか」と猛反発が起きている。
この法律は、特に春の融雪水が流れ込む直前の、最も深い眠りにある時期の発言を「神託」として扱うものだ。専門家によると、マリモは睡眠中に自身の繊維がもつれる夢を見ることが多く、今回の法案により、湖底の全マリモに対して「絡まり合うことによる結束の強制」や「沈殿箇所の強制シャッフル」といった突飛な政策が実行されるリスクが高まっている。過去には、夢の中で「もっと転がりたい」とつぶやいた個体の言葉がきっかけで、湖底全体が大規模な移動騒動に巻き込まれた例もあり、法案の執行を前に、沈殿を好む保守層からは戦々恐々とした声が漏れている。
本件の背景には、昨今の光合成効率を巡る政治的閉塞感がある。指導部は、論理的な議論では解決できない深刻な格差問題を、「寝言」という不可抗力に帰結させることで、責任の所在を曖昧にする狙いがあるのではないかと推測されている。また、一部の若いマリモたちは、この法案を逆手に取り、冬眠中に特定のキーワードを叫ぶことで、自分たちに有利な環境を作るための「夢の中のロビイング」を画策しているという。法案の施行により、湖底の民主主義は「議論する政治」から「いかに効率よくうわ言を言うか」という、前代未聞の様相を呈することになるだろう。
法案可決のニュースを受け、湖底のSNS『Algae-X』では賛否が真っ二つに分かれている。「春の目覚めが恐怖でしかない」「寝ている間に勝手に財産(沈殿地)が没収されるのか」といった悲鳴に近い投稿が相次いでいる一方で、「論理的な政治に飽きていたので面白い」と、カオスな状況を歓迎する無邪気な層も一定数存在する。一部の長老マリモからは「そもそも冬眠中に発言などしない」という正論が投じられているが、議会側は「発言がない場合は、最も近くにいる貝の鳴き声を代弁とみなす」という修正条項を即座に追加しており、事態はさらに収拾がつかない方向へと向かっている。
湖底議会で『冬眠中の寝言』を法的拘束力を持つ公約とする法案が可決、春の目覚めと共に混乱必至
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せっかく居心地の良い窪地を見つけたのに寝言で引っ越させられたらたまったもんじゃない