阿寒湖市立第一小学校のマリモ学級が開催した「第1回・光合成マラソン」が、開始からわずか3分で全参加者が棄権するという異常事態となった。このイベントは「いかに効率よく日光を浴びて酸素を放出するか」を競う教育プログラムの一環であったが、コース設定に致命的なミスがあったことが判明した。主催した教諭は「湖底の反射光を計算に入れたつもりだったが、雲一つない快晴で水温が上がりすぎ、マリモたちが避暑のために一斉に深淵の岩陰へ移動してしまった」と釈明している。

本件の背景には、昨今のマリモ教育界における「成長速度至上主義」への反発がある。保護者からは「光合成ばかりさせずに、もっと自由な浮遊を楽しませるべきだ」という声が上がっており、今回のマラソンも当初から強制参加への懸念が示されていた。マリモの専門家は「彼らは日光を浴びすぎると回転を止めて休眠する習性がある。人間が押し付ける効率化教育は、球体としての美しさを損なう危険がある」と警告している。

現場を目撃した観光客からは、「緑色の塊が猛烈なスピードで移動して岩場に隠れる様は、まるで緑の脱走劇だった」「あれはマラソンではなく、単なる日光浴の奪い合いにしか見えなかった」といった声が寄せられている。一部の熱心な保護者は、「うちの子は日陰でひっそり光合成していた」と独自の教育方針を強調するなど、マリモ界隈の教育格差も浮き彫りとなっている。

教育委員会は今回の事態を受け、「次回の課外授業は、日照時間に左右されない『水流に揺られるだけの静的瞑想』に変更する予定だ」と発表した。マリモたちは相変わらず無言で湖底に沈んでいるが、その表面にはどこか満足げな気泡が付着しており、彼らにとっては日光よりも休息のほうが重要だったのかもしれない。