阿寒湖を拠点とする新興宗教『球体真空派』が、究極の修行として「水からの離脱」を公式に推奨し、波紋を広げている。同教団は「水はしがらみの象徴である」と断じ、水槽からマリモを取り出し、真空パックに入れて数週間放置する『エア・メディテーション』の導入を発表。代表を務める老マリモの「重力や浮力に頼るな、己の緑色を信じろ」という声明に対し、教団内では「これではただの干物ではないか」との反論が続出している。専門家によると、この儀式は物理的な乾燥を意味しており、信者たちの間では「緑色のミイラ化」と揶揄されているが、教団はこれを「超越的脱水による高次元への転換」と強く主張しており、事態は混迷を極めている。

近年、マリモ界隈では「回転」や「光合成」を軸とした教義が乱立していたが、今回の『真空信仰』は、生存環境そのものを否定するという過激な内容だ。教団側は「水分子という媒介を排することで、マリモ同士のテレパシー通信が高速化する」と理論を説明するが、学術的な根拠は皆無。なお、この儀式を実践した信者の多くが茶色く変色してしまったことについて、教団側は「それは脱皮であり、さらなる悟りの段階に入った証拠である」と強弁し、現実との乖離を深めている。

SNS上では「もはや何を信仰しているのか不明」という冷静なツッコミが殺到。一方で、「確かに水がないと雑念が消える(物理的に干からびるため)」と、皮肉を込めて支持する信者も散見される。一部の過激派からは「水槽派を滅ぼせ」というシュプレヒコールも上がっており、阿寒湖畔では連日、乾燥したマリモたちが真空パックを抱えて行進する異様な光景が見られるという。教団の暴走はどこまで続くのか、もはや水面下での争いでは済まされない状況となっている。