阿寒湖を聖地とする新興宗教団体『球体神聖マリモ教団』は本日、家庭内でのマリモの飼育を国民の義務とする法案を国会へ提出した。教団側は「マリモは光合成ではなく、信者の視線という名の慈愛を食べて育つ」と主張しており、水換えの頻度を週一から月一へ減らす宗教的特例措置も求めている。

教団の教祖である緑川丸夫(みどりかわ まるお)氏は、記者会見の冒頭で巨大なマリモを頭上に掲げ、「マリモは沈黙の哲学者である。彼らが動かぬのは怠惰ではなく、宇宙の深淵を直視しているからだ」と熱弁を振るった。提唱された法案には、各家庭のテレビのチャンネルを24時間「マリモの定点ライブ映像」に固定することや、マリモに名前を呼んで話しかける「愛の語りかけタイム」を1日3回設けることなどが盛り込まれている。さらに、水温が上がるとマリモが浮いてくる現象を「昇天」と呼び、浮いた際には有給休暇を取得できる「昇天休暇制度」の導入も併せて要望した。

マリモ教団は近年、その「世話が楽そう」という理由で若年層から絶大な支持を得ている。マリモは他のペットと異なり鳴かず、噛みつかず、家を汚さないため、究極の癒やしとしてカルト的な人気を博してきた。しかし、今回の法案には「マリモをただの観葉植物とみなすのか、神とみなすのか」という神学的論争も巻き起こっており、日本マリモ保護協会からは「信仰もいいが、せめて水はちゃんと変えてやってくれ」との苦言が呈されている。

SNS上では「ついにマリモが支配する時代が来たか」「毎朝話しかけているからもう親友です」といった賛同の声がある一方、「水替えをサボる言い訳にしか聞こえない」「神を瓶詰めで飼うなんて罰当たりではないか」と疑問を呈する声も上がっており、議論は平行線を辿っている。