阿寒湖を震撼させているマリモたちによる「全湖フィル」の結成。湖底から奏でられる荘厳なクラシック音楽は、一見すると文化的な営みに見えるかもしれない。しかし、この流行の裏側で、長年この場所で静かな暮らしを送ってきたワカサギやイトウからは「夜も眠れない」という悲鳴が上がっている。彼らは「マリモの自己満足に付き合わされる筋合いはない」と憤慨しており、今や湖底は芸術の殿堂ではなく、深刻な騒音トラブルの現場と化している。元来、マリモは微動だにせず光合成を行うストイックな存在だったはずだ。それが急にタクトを振り、演奏に興じる姿は、いささか自然の摂理を逸脱しているのではないだろうか。静寂こそが阿寒湖の本来の価値であり、彼らの交響曲が響き渡る今の環境は、もはや本来の姿ではない。我々は今一度、マリモが本来持っていたはずの「ただそこに在る」という尊さを思い出すべきである。
かつて阿寒湖のマリモといえば、動かないからこそ神々しい存在だった。彼らが突然、湖底でベートーヴェンを弾き始めた時、我々は面白がった。しかし、その音楽が24時間体制で、しかも反響音を考慮せず湖底に響き渡るとなれば話は別だ。マリモの寿命は非常に長い。一度音楽に目覚めた彼らが、今後数百年もの間、終わりのないコンサートを続けることを想像してみてほしい。これは保護ではなく、阿寒湖という閉鎖的な生態系における、文化的な強制収容に近い。真の自然保護とは、マリモに人間的なエゴを投影し、楽器を持たせることではないはずだ。
「芸術活動は自由だが、湖底の住民への配慮が足りないのでは」「騒音苦情が水面まで上がってきているのが笑えない」「そもそもマリモに手はあるのか?どうやってバイオリンを弾いているのか謎すぎる」「静寂の湖底が売りの観光地なのに、今は爆音で観光客も困惑している」「『全湖フィル』とか言ってるけど、結局は水流を使った単なる物理現象だろ」「マリモに才能を求めすぎた人間側が悪い気がする」
コラムニスト:水辺の静寂を守る会 代表・荒川 凪
湖底の音楽会は『騒音公害』か 「全湖フィル」の常識外れな演奏に静寂を取り戻せ
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