阿寒湖の平和を脅かしてきた天敵ウチダザリガニが、突如として方針を大転換した。長年にわたりマリモを切り刻む「強制断捨離」を繰り返してきた彼らが、なんと湖底に「癒しのマリモ整体・ザリガニ指圧」なる店舗をオープンさせたのだ。これまで鋭利なハサミでマリモを散髪していた手腕を活かし、歪んだ球体を理想的な真球へと整えるこの新業種には、現在、予約待ちの列が数百メートルにわたって連なっている。

「今まで悪いことをしたが、もうハサミは癒やしのために使う」と語る店主のザリガニ氏は、施術のついでにマリモの繊維を整え、艶出しまで行う極上のホスピタリティを披露。一方で、専門家からは「根本的な捕食衝動が、マッサージという名の『食べやすい形への成形』に変わっただけではないか」との懸念も示されている。実際に、施術を受けたマリモたちが、ザリガニの満腹感を満たすために最適なサイズに削り込まれているのではないかという「美味化疑惑」も浮上しており、湖底の平穏は新たな局面を迎えている。

そもそもウチダザリガニは外来種として湖底の生態系を荒らす象徴的存在であり、マリモたちにとっても恐怖の対象であった。今回の転身は、単なるビジネスモデルの変更なのか、それともマリモを効率的に食すための高等戦術なのか。専門家による「ハサミの角度調査」が早急に求められている。なお、施術後のマリモは「心なしか中心まで風通しが良くなった気がする」と概ね高評価だが、その表情が満足感から来るものなのか、それとも削られすぎたショックによる虚脱感なのかは不明である。

このニュースが報じられると、湖底のSNSでは「ザリガニの指先が温かい件」「コスパ最強の丸洗い」といった好意的なレビューと、「あれは完全に食うための下準備だろ」「騙されるな、中身をくり抜く前の儀式だぞ」という警戒派が真っ二つに割れている。中には「一度利用したが、次の日に半分くらいの大きさになって戻ってきた」という不穏な口コミも投稿されており、湖底の整体ブームは、マリモの生存率を賭けた命懸けのギャンブルへと発展しているようだ。