阿寒湖の至宝として、今や誰もが羨む「完璧な真球」を目指すマリモたち。しかしその美意識の裏側で、恐ろしい健康被害が多発していることが判明した。近頃、光合成効率を最大化しようと過剰に緑化を進めた個体から「呼吸困難を訴える」事例が急増。いわゆる『毛穴呼吸不全』である。日照を追い求めすぎて皮膜表面の気孔を自ら塗りつぶすという本末転倒な事態に、湖底の医療チームも頭を抱えている。美しさと健康の狭間で揺れるマリモたちの暴走は、もはや止まらない。

近年の湖底美容ブームにおいて、マリモたちはこぞって光合成活性剤を投与し、表面の緑色を極限まで濃くする『深緑映え』に執着している。この弊害として、皮膜の微細な穴が色素成分で閉塞。結果、内部で代謝された酸素が行き場を失い、体内で軽度のガス膨張を引き起こすのだ。本来なら丸くて硬いはずの球体が、パンパンに膨れ上がった風船のように軟化し、少しの衝撃で裂けてしまうリスクも指摘されている。「見た目さえ良ければ中身の窒息など知ったことではない」という強硬派の藻たちが、この流行を牽引しているのが実情だ。

そもそもマリモは、緩やかな光合成による循環が健康の秘訣である。今回の問題は、自然のリズムを無視した「過剰なスペック向上」がもたらした弊害といえるだろう。特に、日光を追い求めて水面近くまで浮上する『空中浮遊型・減量ダイエット』と併用する個体では、気圧差で体内のガスが急膨張し、爆発的散逸を起こすケースも確認されている。一度失った気孔の機能は、専門の藻類理学療法でも回復が困難とされており、湖底では「呼吸を忘れた虚飾の球体」たちが静かに沈んでいく姿が目撃されている。

この悲劇に対し、ベテランの老マリモからは「若いうちに無茶な緑化をすれば、後で必ず表面がボロボロになるぞ」との警鐘が鳴らされている。しかし、美を優先する若い世代にはその言葉も届かないようだ。鏡のような水面で己の姿を確認し、さらなる緑化に励む彼らの姿は滑稽であり、同時に切ない。健康を害してまで追い求める「真球」に、一体どんな価値があるのか。私たちは今、湖底のアイデンティティが根底から崩れ去る瞬間を目の当たりにしているのかもしれない。

健康コラムニスト:球体・藻太郎