阿寒湖の健康トレンドは今、深刻な「運動不足」に悩まされている。マリモの健康維持に不可欠とされる「自転」を意図的に停止し、省エネ生活を送る個体が急増しているのだ。この現象は『自転ストライキ』と名付けられ、湖底では一見静かなブームとなっているが、専門家は「回転を止めれば内部に酸素が行き渡らず、芯が湿気てカビる」と警告。この事態を重く見た一部のマリモ・クリニックでは、強制的にマリモを高速回転させる『遠心分離リハビリ』を導入した。しかし、勢い余って遠心力でバラバラに解体される個体が続出しており、「健康のための回転か、分解のリスクか」という倫理的論争に発展している。

本来、マリモにとって自転は、湖底の潮流を利用して球体全体を光合成にさらす必須のルーチンである。しかし、SNSで「転がらないライフスタイル」がオシャレとして拡散された結果、多くの若手マリモが「球体としての形を保つことより、動かない安らぎが大事」と主張し始めた。これが今回のストライキの背景にある。放置すれば球体内部が腐敗し、緑色の藻の塊が黒いヘドロへと変貌するリスクがあるため、行政も「強制回転令」の施行を検討し始めている。

『遠心分離リハビリ』の導入により、リハビリ施設には「目が回って三半規管が崩壊した」と訴える患者が押し寄せている。一方で、一部の過激な健康志向派は「自転こそが絶対の正義」と説き、ストライキ中の個体を見つけては無理やり手で転がす『強制転がしおじさん』なる存在も目撃されている。阿寒湖の健康衛生課は「まずは自主的な回転を推奨するが、無理な遠心分離は推奨しない」という曖昧な声明を発表するにとどまっており、湖底の平穏は遠のくばかりである。

このニュースに対し、湖底の住民からは「結局、形が崩れるのが怖いだけ」「回転しすぎて遠心力で粉砕された親戚がいるから他人事とは思えない」といった切実な声が寄せられている。ストライキ組からは「たまには泥の中に沈んでいたいこともある」という主張も漏れるなど、マリモ界の健康概念は今、球体の美学と個体の生存本能の間で激しく揺れ動いている。