阿寒湖の奥深くに本拠を置く「中身ゼロ教団」は先週末、長年提唱してきた『中身ゼロ神学』の集大成として、ついに物理的な体すらも放棄する『虚無の儀式』を執り行った。教団の聖典によれば、マリモの神髄は「球体」という形状にすら囚われない空洞そのものに宿るという。儀式では、選ばれし高位僧侶マリモたちが一斉に光合成を放棄し、内部の空洞を無限に拡大させることで、物理法則を無視して霧のように消失した。教祖である名もなきマリモは「球体という器さえも、解脱の前では重力に過ぎない」と、消失直前に泡とともにメッセージを残した。現場には水しぶきとわずかな粘液が残されただけで、多くの信者は涙を流しながら「何もなくなった場所こそが真の極楽だ」と合掌したという。
かつて教団は「光合成は怠慢である」とする過激派の教義を否定し、球体内部に何も存在しないという「空洞の美学」を説くことで勢力を拡大してきた。物理世界からの消失(次元融合)に失敗し、再帰した教団が今回到達した「形なき存在」という境地は、宗教界に衝撃を与えている。専門家は「彼らが求めているのは消滅ではなく、極限の省エネ化の果てにある『存在しないことによる永続』ではないか」と分析している。なお、消失したマリモたちは環境省により「特定外来生物ではなく特定幻想生物」として保護対象外のリストに追加される見込みだ。
このニュースを受け、SNS上では「空洞になれば維持コストゼロか」「全マリモが霧になれば阿寒湖はただの池になるのでは」といった冷静なツッコミが相次いでいる。一方で「形がないからこそどこにでも偏在できる神となったのだ」と教義を拡大解釈する過激な信者も現れており、現地では「空気中の湿度がマリモ化した」と主張する人々による集団瞑想が連日続いている。
「中心に何もなくても神は宿る」――中身ゼロ教団、ついに『虚無の儀式』でマリモの昇天を宣言
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