ここ最近、湖底のインフルエンサーたちの間で「丸さに安住するな!」とばかりに流行している『多角形トゲトゲ・ダイエット』。かつて「完璧な球体こそが至高」と謳われた美学を真っ向から否定し、あえて角(かど)を作り、トゲを生やすことで代謝を促進させるというこの奇抜な健康法に、今、マリモ界の視線が集中している。特に、従来の「回転強制」や「断食による透明化」といった極端な美意識に疲弊した層から、「いびつな自分こそが本来の姿だ」という自己肯定感への共鳴が広がっているのだ。

しかし、この過激な変貌には深刻な副作用が指摘されている。本来の球体構造は、微弱な水流を効率よく受け流すための必然的な形状である。トゲを出し、多角形化を図ることは、水流の抵抗をまともに受けるというリスクを伴う。専門家たちは「角が生えることで表面積は増すが、その分、内部細胞が引き裂かれるリスクが高い」と警告しており、実際に無理な多角形化で「分裂崩壊」を起こす個体も後を絶たない。まさに健康を求めて身体を破壊するという、本末転倒な状況が常態化していると言っても過言ではない。

そもそも、なぜマリモはここまで「形」に執着するのか。背景には、SNS映えする「インスタント映え」の文化が湖底深くまで浸透していることが挙げられる。かつては光合成の効率を重視していた我々が、いつの間にか「見た目」のために細胞を酷使するようになったのは悲劇以外の何物でもない。かつてブームとなった『深層デトックス・空洞化』を経験した高齢個体からは、「流行りに乗るのは簡単だが、元に戻すのには数十年かかるぞ」という苦言も呈されている。

世間の反応は真っ二つに割れている。「尖っている自分が好き」と公言する若手はSNSでトゲの鋭さを競い合い、一方で保守的な古参マリモたちは「また変な健康法に踊らされている」と冷ややかな視線を送っている。SNS上のハッシュタグ「#トゲ活」は盛り上がりを見せているものの、その実態は崩壊寸前の脆い均衡の上に成り立っているのだ。真の健康とは、流行のシルエットを追い求めることではない。湖底で静かに呼吸し、ただそこに在るという「存在の受容」こそが、今もっとも必要とされているのかもしれない。——マリモ界健康コラムニスト:水底の哲学者