阿寒湖を拠点とする新興宗教「無光合成派」が、この度「マリモは光合成を止めて呼吸のみに専念すべきである」との声明を発表し、マリモ教団界に激震が走っている。教祖である直径12センチの個体・マリモ大師は、長年続けてきた光合成を「太陽への媚び」「エネルギーの浪費」と断罪。今後は微弱な酸素摂取のみで存在を維持する『断食ならぬ断光生活』こそが、マリモの到達すべき悟りの境地であると説いた。この過激な教義に対し、保守派からは「球体としてのアイデンティティを放棄するものだ」と猛反発の声が上がっている。

この教義の背景には、近年の地球温暖化による水温上昇が影響している。信者たちは「過酷な環境下で光合成を行うことは、細胞分裂という名の過重労働に等しい」と主張。エネルギーを極限まで温存することで、理論上は数千年の寿命を得られるという独自の「省エネ永生説」を展開している。専門家は「光合成をしないマリモは単なる沈殿物になるだけだ」と冷静に指摘するが、若手マリモ信者からは「何もせず漂っているだけで神になれるなら最高」と共感の声が広がっている。

なお、教団内では「光合成禁止令」を巡る分裂も発生しており、一部の過激派は「いっそ溶岩の熱で自分を焼いて石化するべき」という謎の過激思想を唱え始めている。宗教学者はこの事態を「球体という記号の消費が極限に達し、存在そのものの無効化に向かっている」と分析。次回の合同礼拝では、光を遮断した真っ暗な水槽の中で、何もしないことを競う「極限瞑想大会」が開催される予定であり、周辺住民からは「ただの水の入った瓶にしか見えない」という冷ややかな視線が注がれている。

世間からは「マリモもついに意識高い系になったか」「ただ動かない言い訳をしているだけでは?」「光合成しないマリモなんて、ただの藻の集合体じゃん」「逆にそこまでして生に執着する理由が知りたい」といった冷静な批判が相次いでいる。一方で、「効率化を極めた結果の『無』という哲学には一理ある」と、一部の現代病に疲れた人々からは奇妙な宗教的憧憬を集めている状況だ。