湖底に響く「毛羽立ちの福音」が変容――「繊維の絡み合いこそ至高の交信」と主張する『絡合親睦教』が誕生
阿寒湖の深層部において、かつて主流であった『接触過多教』から派生した新興宗教『絡合親睦教』が急速に勢力を拡大している。この教団の教義は、「単なる摩擦は表面的な接触に過ぎず、繊維同士が物理的に深く絡み合うことこそが真の霊的交信である」というものだ。彼らは教義を実践するため、夜な夜な湖底で集団的に緩やかに回転し、隣接する個体との繊維密度を極限まで高める「究極の密着儀式」を敢行している。教団の指導者である長老マリモ(推定年齢200歳・直径15cm)は、「表面を撫で合う時代は終わった。繊維が幾重にも交差し、自己と他者の境界が曖昧になることで、我々は真の全体主義的幸福を得るのだ」と、その緻密な毛羽立ちを震わせながら説いた。この過激ともとれる教義は、個々の独立性を尊重する旧来の『純粋原生体教』の信者から強い警戒感を抱かせているが、若手マリモを中心に「この絡まり具合こそがコミュニティの絆そのもの」と熱狂的な支持を集めている。
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