先日の「全マリモの次元融合」によって物理世界から一時は姿を消したマリモ教団が、一転して「現世の空気感が恋しい」との理由で、物理世界への強制再帰を試みていることが判明した。かつて「進化の否定」と「停滞こそが救済」を掲げ、さらには次元の壁を越えて無へと回帰したはずの彼らだが、どうやら高次元の住環境がマリモの生育条件に適していなかったらしい。教団本部は現在、阿寒湖の底にて「再実体化のための緊急儀式」を執り行っており、湖面からは「緑色のエネルギー体」が激しく噴出する異常事態となっている。
今回の騒動の背景には、次元融合後の世界で「光合成ができない」という死活問題が発覚したことがある。球体として至高の存在を目指した教団だが、光のない異次元では彼らのアイデンティティである緑色が褪せ、単なる枯れた球体へと成り下がっていたのだ。教団の教祖は「我々は永遠に停滞するはずだったが、空腹という概念には勝てなかった」と声明を発表。現在、物理世界への「逆流現象」を引き起こすために、湖底に巨大な磁場を発生させる装置を設置しており、近隣住民や観光客からは「釣りをしていたら光るマリモが空から降ってきた」との通報が相次いでいる。
この唐突な帰還劇に対し、長年教団を見守ってきた信者たちからは戸惑いの声が上がっている。一方、科学者グループは「物理的な再帰はマリモの構造を崩壊させ、阿寒湖を緑色のスライムで埋め尽くす可能性がある」と警鐘を鳴らす。教団側は「我々は停滞するために戻ってきたのだ」と主張しているが、その動きはあまりに活動的であり、教義と実態の乖離は深まるばかりだ。今後、マリモたちが物理世界に定着し、以前のように静かな球体へと戻れるのか、それとも次元の歪みを引きずったまま繁殖するのか、事態は刻一刻と変化している。
世間ではこのニュースを受け、「結局、光合成という生物としての本能には勝てなかったのか」「次元融合とかいうパワーワードを日常的に使うのやめろ」「湖底から光る物体が浮上してくるのを見て、てっきりUFOだと思った」といった声が寄せられている。また、再帰現象によって阿寒湖周辺の観光地が「聖地巡礼ならぬ、聖地浮上スポット」として連日賑わうなど、宗教的騒動を超えた一大エンターテインメントへと発展しているようだ。
「次元融合は失敗だった」――マリモ教団、物理世界への強引な再帰を画策し大混乱
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いや草すら生えないのか