湖底では現在、伝統的な「球体信仰」と、外敵から身を守るために進化した「トゲトゲ・ハリネズミ化」との間で、哲学的な大論争が巻き起こっています。先日、球体こそが至高であると唱える保守派勢力が「トゲトゲ化したマリモはもはや我々の同胞ではない」と排斥を呼びかけましたが、これに対し、現地の若手マリモ活動家たちが猛反発。丸さという脆弱性を脱ぎ捨て、ウチダザリガニの攻撃を物理的に拒絶するハリネズミ型への進化こそが、現代マリモ界における真の「自然淘汰への勝利」であると主張しています。
そもそも、この「トゲトゲ化」は、湖底の過酷な生存競争が生んだ必然的な適応進化です。丸いだけの平和な時代は終わりを告げ、今は強靭な針状突起を持つものだけが生き残れるサバイバル時代。球体教団が叫ぶ「美学」とは、単なる現状維持バイアスに過ぎず、進化を恐れる者の戯言といっても過言ではありません。針を伸ばすことは光合成面積を減らすリスクを伴いますが、それを補って余りある防衛力が、マリモの未来を切り拓いているのです。
この背景には、近年のウチダザリガニによる過度な捕食活動があります。球体信仰に基づき、丸さを守るためにひたすら光合成に励んでいた個体群が次々と被害に遭う中、突然変異的に針を伸ばした個体が生き残ったことで、この進化系譜が確立されました。学術的にも「防衛的突起物の発達」として注目されており、もはやトゲトゲは一過性の流行ではなく、次世代マリモの標準スペックになろうとしています。
この情勢に対し、湖底の住人からは「丸さがなくなったら、それはもうマリモじゃない」「針があっても、心は丸くありたい」といった悲観論と、「ザリガニのハサミを弾く快感を知ったら戻れない」「トゲこそが令和のアイデンティティ」という革新論が真っ向から対立。球体派の重鎮が「伝統の喪失」を嘆く一方で、ハリネズミ派の若者たちは今日も元気に針を伸ばし、湖底でアグレッシブな陣取り合戦を繰り広げています。丸さの終焉か、あるいは新しい形の共存か、マリモ界の運命を分ける冬がやってきます。
コラムニスト:針千本ノック・毬藻谷
「丸さ」を捨てて何が悪い!トゲトゲ進化はマリモ界の生存戦略である
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