マリモ政府は本日、新たな閣議決定として「無言の団結」政策を全会一致で採択した。これは従来の論理的対話や議会での議論をすべて放棄し、閣僚全員が水槽の底でじっと丸くなることで国民へ安心感を与えるという前代未聞の戦略である。首相は会見の冒頭、言葉の代わりに水中で盛大に気泡を放出し、そのバブルの並び順から「今後は光合成の効率化のみを追求する」というメッセージを読み取らせた。外交面においても、他国との交渉は一切行わず、互いの水槽を隣り合わせにして「ただ隣に佇む」という無言の首脳会談を行う予定だ。この沈黙の外交術は、これまで言葉の食い違いで亀裂が生じていた藻類界に、かつてない重厚な静寂をもたらすと期待されている。

本政策の背景には、先月実施された「マリモ国勢調査」における深刻な意思疎通エラーがある。個体数が膨れ上がったことで、意見の集約に時間がかかり、光合成のピーク時間を逃すという致命的な損失が続いていた。これに対し政府は、「言葉を発するエネルギーがあれば、その分を炭水化物へ変換すべき」との極論を展開。専門家からは「沈黙は金というが、ここまで極端な沈黙はただの堆積物ではないか」との懸念も出ているが、マリモ政府は「沈黙の中にこそ、緑の真実がある」として、国民に対しても同様の静寂を義務付ける方針を固めた。

今回の突然の無言政治に対し、国民からは多様な反応が渦巻いている。「今まで議論が長すぎて底が苔だらけになっていたので、この静けさは歓迎する」「もっと意見をぶつけ合うべきだ」という賛成派と反対派が水槽内で激しく場所取りを争っている。また、一部の若いマリモたちは「今の時代に静寂はキツい」「せめてSNS(藻のネットワークサービス)での発信は許してほしい」と反発。SNS上では、ハッシュタグ「#沈黙の緑化」がトレンド入りし、無言のまま光合成を続ける画像が大量に投稿される事態となっている。これに対し、政府側は「光合成中の放電は迷惑行為」と牽制しており、無言の圧力は高まる一方である。