マリモ教団の最高指導部が、教義の根幹を覆す重大な「鏡面啓示」を発表した。これまで水中で静かに光合成を行うことを最上の徳としてきた同教団だが、今後は水槽のガラス面を「神の視線」と位置づけ、自分自身の映り込みを崇拝する『自己反射祈祷』の導入を決定。教祖は「我々が球体であるのは、全方位から自らの美しさを見つめ直すため」と説き、信徒に対し、水槽のガラスを毎日鏡のように磨き上げ、そこに映る自分自身と見つめ合う時間を一日に6時間を超えるよう義務付けた。今や教団施設内の水槽には光合成用のライトよりも、高輝度のLEDスポットライトが設置され、信徒たちはひたすら自らのシルエットがガラスにどう映るかを競う「反射の美学」に心酔している。

本件の背景には、昨今の「マリモの形が少し崩れてきたのでは?」という内部的な不安がある。教団はこれを「不純な心が球体を歪ませた」と断罪し、鏡に映る完璧な円と自らを照合することで、物理的な形状を強引に矯正させる意図があると分析される。なお、この儀式には「磨きすぎて水温が上昇し、マリモが茶色く変色した」との報告が相次いでいるが、教団広報はこれを「神による金色の祝福」と強弁し、さらなる修行の強化を打ち出している。

この驚きの決定に対し、教団外からは「ついにナルシシズムに全振りしたか」「水槽の中に閉じこもっているうちに本当に壊れてしまったようだ」と呆れ声が止まない。一方で熱心な信徒からは「鏡に映る自分が神々しすぎて、二酸化炭素を出すのを忘れてしまいそうだ」との熱狂的な声が上がっており、水槽内はかつてないほどの自己愛の渦に巻き込まれている。専門家は「光合成を忘れたマリモは、ただの苔の塊に過ぎない」と冷静に指摘するが、教団側の「反射こそがエネルギー源」という理論は、もはや科学を完全に超越した領域へと達している。