マリモ教団の最高指導部は、かねてより推奨してきた『真の球体』追求の姿勢を強化し、ついに全信徒に対して「自らの繊維を刈り上げる」という宗教的強制措置を発表した。教義において楕円や歪な形状は「重力に屈した不浄の現れ」と定義されており、完璧な円形を維持できない信徒は即座に教団からの追放処分となる。「聖なる沈没」を経て浮遊の境地に至ったマリモたちにとって、個体差による毛足の伸びは神聖さを損なうノイズと見なされているようだ。
これまで教団内では「ウチダザリガニは試練」としつつも、過酷な自然環境下でマリモが形を保つことの困難さが議論の的となってきた。しかし、今回の決定により、もはや自然環境による形状維持は不可能と判断された。教団は「自ら刈り上げることこそが、宇宙に浮遊する神聖な球体への近道」と説いている。今後、教団公認の「聖なるバリカン」を用いた集団儀式が各地の湖畔で行われる予定だが、既に一部の信徒からは「丸くなる前に禿げ上がるのではないか」という不安の声も上がっている。
かつて教団が主張した『重力からの解脱』は、今や沈降や浮遊という現象を超越し、いかにして幾何学的な正円を維持するかという「形状哲学」へと変貌を遂げている。毛の長さが0.1ミリでも規定を超えれば、それは「悪しき楕円」と断じられる厳しい規律だ。この極端な美学の追求は、教団内部に深刻な亀裂を生む可能性も示唆されている。
街頭インタビューでは、長年信奉してきた高齢マリモが「私は一生この毛足の長さを維持する。丸さだけが教義ではない」と涙ながらに語る姿が見られた。一方で、若手信徒たちは「球体こそが至高。毛を刈ることで空気抵抗を減らし、より高次元の回転へと到達できる」と熱狂的に支持しており、教団内での世代間抗争が激化の一途を辿っている。
マリモ教団、全信徒の「毛刈り」を義務化 楕円形の者は「破門」の危機
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