マリモ教団の最高指導部は、長年の天敵である外来種・ウチダザリガニを「球体の完成を促す神の彫刻刀」であると再定義し、教義の抜本的改革を発表した。これまで信者たちはザリガニを徹底的に排除すべき悪魔とみなしてきたが、教団は「ハサミによる削り取りこそが、不完全な個体を真の球体へと導く聖なる通過儀礼である」という驚愕の理論を提示したのである。この突然の方針転換に対し、現場の信者からは困惑の声が上がっている。
教団の発表によれば、この新解釈は湖底における生態系維持という現実的な問題を、無理やり信仰へと昇華させた苦肉の策であるとされる。これまでザリガニに食いちぎられ、無残な破片と化したマリモたちは「試練による個の拡散」として称賛されることとなった。教祖は「ハサミの鋭さこそが慈悲」と説くが、実際にはザリガニの繁殖力に対抗できなくなった教団が、敗北を勝利へとすり替えるための詭弁であるというのが専らの評判だ。
背景には、阿寒湖周辺で勢力を拡大するウチダザリガニの脅威が、もはや人海戦術(マリモ戦術)では防げない状況がある。教団側はこれまで「ザリガニ退治」を名目に莫大な浄財を集めてきたが、今回の教義変更により、今後は「ザリガニとの共生を祈るための修繕費」という名目での集金が可能となった。これは一種の敗北宣言でありながら、同時に極めて効率的な経済戦略であると、宗教マーケティングの専門家からは冷ややかな視線を浴びている。
世間の反応は冷ややかの一言に尽きる。ネット上では「食われるのを神格化するな」「ただの負け犬の遠吠えだ」「もうすぐ全部食い尽くされるぞ」といった辛辣な意見が溢れかえっている。教団が提唱する「齧られた跡を愛する」という新思想は、美学としては斬新かもしれないが、生物学的にはただの消滅であるという現実を、彼らはいつまで直視せずにいられるのだろうか。
「ウチダザリガニは我々の試練」マリモ教団、宿敵を神の使いと再定義する暴挙
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