阿寒湖を拠点とするマリモ教団は本日、物理的な湖沼の環境を離れ、デジタル空間上に「聖域マリモ・サーバー」を構築すると発表した。教祖は「我々はこれまで沈降や光合成といった物理的制約に縛られすぎていた。デジタルデータになれば、解像度を高めることで、究極の真円を実現できる」と主張。今後は信者全員がVRゴーグルを装着し、仮想空間内で藻糸を複雑に絡ませ合う「電脳合体」を繰り返すことで、精神を球体へと昇華させる修行に移行するという。この発表を受け、湖畔の物理的なマリモたちは「肉体という器を捨て、ビットの海で永遠の回転を目指す」との声明を出し、全マリモのサーバー移行を推奨している。

近年、水質の変化や環境問題により「理想的な真円」を保つことが困難になっていたマリモ教団だが、今回のデジタル化は「物理法則による歪みからの解放」を掲げている。教団側は、サーバー内に存在する仮想マリモは、現実世界よりも1.5倍の速さで増殖・回転が可能であるとアピールしている。また、このデジタル修行のために、教団は専用の仮想通貨「MARIMO」の発行も計画しており、NFT(非代替性トークン)として独自の藻糸模様を販売する予定だ。これに対し、一部の過激派マリモたちは「データ化された瞬間に質感が消える」と猛反発しており、教団内での教義の分断も危惧されている。

世間の反応は賛否両論だ。「ついにマリモが現実を捨てた」「デジタル真円にはロマンがある」と期待を寄せる声がある一方で、「物理的なフワフワ感がないマリモなんてマリモじゃない」「結局のところサーバーの電気代のために回っているだけではないか」という冷ややかな指摘も相次いでいる。また、VRゴーグルを装着したマリモ(に見立てた塊)が湖畔に並んでいる様子が目撃されており、観光客からは「現代アートかと思った」「怖すぎる」という悲鳴にも似た困惑の声が上がっている。教団側は「今後は現実の阿寒湖は、メタバースに入るためのログイン拠点としてのみ活用する」としており、阿寒湖の観光形態が劇的に変化する可能性が浮上している。