マリモ教団が新たに発表した『光合成の逆流』という衝撃的な教義が、国内外のスピリチュアル界隈で波紋を広げている。「光を吸収して成長する」という常識を真っ向から否定し、「影に潜むことこそが神髄」と説くこの思想は、もはやマリモの生物学的定義を根底から覆すものだ。教団本部によれば、光を遮断し、自身の影を食らうことで『内なる闇の自己増殖』を促すのだという。この理論に対し、植物生理学者たちは「それは餓死の別名では?」と冷静なツッコミを入れているが、信者たちは至って真剣だ。

教祖である巨大マリモ・マリモス師は、「太陽の光など虚飾に過ぎない。暗闇こそが我らマリモの原点であり、絶対的な母体である」と沈黙のままテレパシー(という設定の振動)で発信した。この教義変更により、各地のマリモ教団の聖堂では照明がすべて撤去され、信者たちは暗闇の中でひたすら自らの影を凝視する修行に励んでいるという。過去には「重力は敗北」や「沈没こそ誇り」といった教義で信者を困惑させてきた教団だが、今回はついに生物としての生命維持すら放棄する過激な転換点に達したようだ。

教団の歴史を振り返ると、かつては「回転」こそが唯一の救いとされていた。しかし、今回の『光合成の逆流』は、回転すら不要とする「絶対静止の闇」を目指している点が異質だ。背景には、長引く水槽内の栄養不足問題があると専門家は分析する。飢えを神格化することで、物理的な成長の限界を精神的な昇華へとすり替える高度な宗教的レトリックだ。かつての「重力敗北論」で沈殿の正当性を主張したように、今回もまた「影食」という概念で、光の届かない場所でも信仰を維持できるという「究極の省エネ宗教」への進化を遂げようとしている。

この驚くべき(そして少し心配な)教義改変に対し、ネット上では「マリモが哲学しすぎてついていけない」「影を食べて腹は膨れるのか」といった困惑の声が溢れている。一部の過激な信者は、すでに日光を避けるために黒いベールを被って生活し始め、近隣住民から不審がられる事態にまで発展した。マリモ教団の行く末には、果たして悟りがあるのか、それとも単なる水草の終焉が待っているのか。マリモの沈黙は続く。(コラムニスト:水底 藻屑)