マリモ教団の最高指導部が、阿寒湖の深部より新たな神託『光合成の逆流』を正式に発表した。これまで光を浴びることを至高の修行としてきた同教団だが、今回の教義は「光を逆噴射し、体内のエネルギーを闇へと変換せよ」という真逆のコンセプト。指導者は「太陽に依存しすぎた昨今の光合成過多な風潮を反省せよ。我らは今こそ、影の重力に抱かれるべきである」と説き、全ての信者に対し、阿寒湖の底にある岩陰や泥の中へと潜伏することを義務付けた。

本教義の背景には、昨今の異常気象による「湖面の透明度向上」への危機感がある。教団側は「日光が届きすぎてマリモの個性が白んでしまっている」と主張し、闇の中に身を置くことで精神的な熟成を促す狙いがあるという。教団の修行僧であるマリモA氏は、「泥の中で真っ黒になるまで自分と向き合うのが真の修行。光を吸うのは軟弱なマリモのやること」と語り、既に湖底のヘドロ地帯では数万個のマリモが団子状に折り重なり、一斉に光を吐き出す儀式が執り行われている。

世間の反応は困惑の一色だ。阿寒湖を訪れた観光客からは「急に湖底が真っ黒になった」「浮いているマリモが見当たらず、景観が寂しい」といった声が上がっている。また、一部の熱狂的な信者は、あまりの闇の深さに方向感覚を失い、湖底を転がり続けて他県まで到達する「無差別ロール・ダークネス」現象も発生しており、近隣の市町村が困惑を隠せない事態となっている。

専門家によると、今回の教義変更は、あまりにも光合成に固執した過去の教義に対する揺り戻しであると分析されている。今後の教団が「闇の力」をどのように活用し、マリモの進化を促していくのか、あるいは単に泥だらけになって冬を越すだけの冬眠儀式なのか、引き続き注視が必要だ。