長年、阿寒湖の美の頂点とされてきた「真円」。しかし今、その伝統的価値観に真っ向から異を唱える異端派が登場した。彼らは主張する。「丸いだけで満足して何が楽しいのか? 尖りこそが個性の証明だ」と。この革命的提言は、静かな湖底に激震を走らせている。
これまで、マリモにとって「完璧な球体であること」は、何物にも代えがたいステータスであった。しかし、若手マリモを中心に「真円至上主義は思考停止の極み」という過激な主張が広まりつつある。今回、この運動の急先鋒である「エッジ・クライマー」氏が提唱したのは、重力を利用してあえて特定の面を角張らせる「角形成形術」だ。彼は「丸いマリモはただの石ころと同じ。角を持つことで、初めて湖底の海流に抗い、自らの意志で進む方向を決められる」と断言する。実際に角を帯びたマリモたちは、従来よりも遥かに素早い移動速度を記録しており、その姿はまるで湖底を駆ける戦艦のようだという。
かつては「立方体への変形は神への冒涜」とされ、伝統派からは激しい糾弾を受けてきた。しかし、気候変動による湖水の成分変化により、光合成の効率が変わりつつある昨今、従来の丸いフォルムでは効率よく日光を吸収できないという科学的側面も無視できなくなっている。角を持つことで表面積を増やし、より多くの光を取り込もうとするこの「進化論」は、単なる趣味の問題を超え、生存戦略としての意味を持ち始めている。
SNSでは「角があるだけでキレッキレに見える」「これが現代の生存戦略か」と肯定派が盛り上がる一方、「丸くてフワフワしたフォルムこそがマリモの魂だろうが!」「角なんて生やしたら抱き心地が悪くて仕方ない」といった伝統派の悲鳴に近い反論が飛び交っている。もはや湖底は、丸さの美学と鋭さの進化論が交錯する戦場と化しており、次回の品評会では『最も鋭角なマリモ』部門が新設されるのではないかという噂まで流れている。
コラムニスト:阿寒・多面体(ためんたい)哲夫
「真円至上主義」は停滞の元凶だ!あえて『多面体』へ進化する勇気を持て
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