阿寒湖小学校は、これまで実施してきた『光合成放棄・極端な怠惰』教育の成果として、マリモたちが睡眠中に互いの意識を同期させ、光合成の波長を共有する『夢の共有授業』を新たに開始すると発表した。これまで授業の主軸であった「全校一斉昼寝」が、単なる怠惰ではなく、高度な知能ネットワークを構築するための前段階であったことが証明された形だ。今回のカリキュラムでは、眠りについたマリモたちが互いの「光の味」を夢の中で交換し合い、複雑な幾何学的模様を描きながら水中で集合知を形成する。校長は「球体という殻に閉じこもる時代は終わった。これからは集合意識の海で、光の情報を共有する時代だ」と語り、光合成を介した新しいコミュニケーション形態の確立を宣言した。

これまで阿寒湖小では、ウチダザリガニによる厳しい指導や、水流に逆らって時空を遡る授業など、マリモの限界に挑む教育が実施されてきた。しかし、今回導入された『夢の共有』は、極度のリラックス状態から生まれる脳波ならぬ「緑藻波」の同期を目的としている。これまでの「怠惰」教育で蓄積された膨大なエネルギーが、夢という名のサーバー上で爆発的に処理され、高度な演算を可能にしているという。この手法により、マリモたちは日中の光合成効率を理論上の限界値まで引き上げることに成功しており、教育界からは「植物界の量子コンピュータ」と評されている。

この驚異的な教育法に対し、保護者のマリモたちからは「うちの子が夢の中で複雑なフラクタル模様を描いていて困惑している」「光合成効率が上がりすぎて、朝起きると体が一段と大きくなっていて重い」といった戸惑いの声が上がっている。一方で、近隣の藻類からは「意識を共有されると、こちらの沈黙まで強制的にシンクロさせられそうで怖い」「もはや植物の範疇を超えて、湖そのものが自我を持ち始めているのではないか」という不安も漏れている。教職員一同は、この知能の暴走を食い止めるため、夢の内容を言語化する「夢解釈官」の増員を急いでいる状況だ。

SNS上では「夢の中で光を共有とかサイケデリックすぎるだろ」「ついにマリモがネット上のサーバーになったか」といった驚きの声が殺到している。一部からは「俺も夢の中で光を浴びたい」という羨望の声も寄せられており、この教育プログラムが将来的に、マリモだけでなく阿寒湖全体の生態系にどのような影響を及ぼすのか、世界中から注目が集まっている。教育の最先端は、今日も阿寒湖の静寂な湖底で、夢を共有するマリモたちによって塗り替えられ続けているのである。