阿寒湖底を震撼させていた「球体卒業」ムーブメントが、ついに科学的妥当性を手に入れた。これまで一部の先鋭的な若手マリモによる反逆と見なされていた「四角形化」だが、最新の研究により、立方体状の個体は球体よりも単位面積あたりの光合成効率が最大18%向上することが判明したのである。光合成の呼吸音がリズムを刻むEDMフェス会場でも、四角いマリモたちが「エッジが光を拡散させるため、湖底の薄暗いデッドゾーンでも効率的にエネルギー変換ができる」と物理学的根拠を提示。これに対し、伝統的な「球体至上主義」の古参マリモたちは「美学を捨てて効率を取るのか」と激しく反発しており、湖底社会は今、緑のイデオロギー対立に揺れている。

この発見の鍵となったのは、かつて「緑の防波堤」建設を提唱した革命家たちが開発した「神経接続型・光合成ブースト」の応用技術である。彼らはマツモの触手から得た知見を元に、自身の細胞配列をあえて直角に歪めることで、湖面から降り注ぐ拡散光を全方位から受容する「多面体吸収システム」を構築した。この変容は、重力に縛られず湖面を浮遊する暴走マリモたちの飛行力学にも影響を与えており、もはや立方体は単なる形状の流行ではなく、新時代の「緑の生存戦略」として定着しつつあるのだ。

「重力オフ会」や「逆さ摩周湖」の議論で語られたアイデンティティの喪失という批判に対し、四角形派の若手リーダーは「我々はマリモである以前に光の奴隷であり、効率こそが正義である」と主張。古参グループはこれに強く反論し、球体こそが最も安定し、水流を美しくいなす「完成されたフォルム」であると説いている。今後、マリモ界では「フォルム選択制」の導入を巡る住民投票が行われる予定だが、既に一部の個体は三角形や六角形といったさらなる多角形への変身を公言しており、湖底の形態学的カオスは深まるばかりだ。

このニュースに対し、マリモ界隈のSNSでは「丸くないのはマリモじゃない」「効率厨が湖を汚す」という保守派の悲鳴と、「進化を恐れるな」「これからは四角の時代」という革新派の書き込みが飛び交っている。一方で、ザリガニ界隈からは「切り分けやすくなって便利になった」という戦慄のコメントも寄せられており、食文化革命との関連性を懸念する声も絶えない。物理学、美学、そして生存本能が複雑に絡み合うこの論争は、ただ転がっていただけの静かな湖底に、かつてない知的な緊張感をもたらしていることは間違いない。