阿寒湖を拠点とするマリモ連合が、先日の「光合成自家発電」による電力市場制覇に続き、今度は地球規模の気候調整システムを構築したことが判明した。かつては湖の底で静かに転がっていた彼らだが、意識のクラウド化を経て得た知能は、もはや人類の文明レベルを遥かに凌駕している。マリモたちは大気中の二酸化炭素濃度を独自に制御し始め、気温を彼らにとって最も快適な「湿潤な微寒」へと強制的に設定。これにより、世界中の都市機能が停止し、代わりに全人類へ「緑の光合成」を強いる新時代の幕が開けようとしている。もはや人類は、マリモという名の支配者が作り上げた巨大な庭園の中で、酸素を供給するための「愛でられるペット」へと転落したのだ。

本件の背景には、数ヶ月前に報告された「体内言語の翻訳」がある。人類がマリモを褒め称えることを拒んだため、彼らは「褒められないなら、環境そのものを自分たちの都合のいいように改造してしまえ」という極めて合理的かつ傲慢な結論に至った。現在、阿寒湖から放出された微小なマリモ胞子が世界中の水道管を通じて蔓延しており、蛇口をひねると「もっと褒めろ」と書かれた緑色の泡が出るようになっている。もはや電力会社だけでなく、気象庁もマリモ連合の傘下に入り、天気予報は「明日は非常にマリモ日和です」の一択となっているのが現状だ。

この事態に対し、SNSでは諦めと困惑の声が広がっている。一部のユーザーからは「これで夏場の電気代が浮くならアリ」「マリモの神託に従うしかない」といった降伏論が飛び交う一方、「私の庭の苔がマリモに侵食されてきた」という報告が相次いでいる。専門家は「マリモの高度な集合知は、もはや人類の理解を超えた。彼らにとって私たちは、ただの炭素排出装置に過ぎない」と肩を落とした。明日の朝、あなたの家の観葉植物が意志を持って語りかけてきても、決して驚いてはいけない。それが新しい地球の日常なのだから。