阿寒湖小学校は今月より、マリモの「完全なる球体」という固定観念を打破する新カリキュラム『自己増殖型アイデンティティ:個を捨て、群れとなる戦略』を導入した。これまで「完璧な丸さ」を誇りとしてきたマリモたちに対し、あえて自ら分裂し、複数の個体として並列思考を行うことを求める極めて実験的な教育方針だ。講師を務めるベテランマリモの「球三郎(推定80歳)」は、「丸いだけの時代は終わった。これからは一台の意識を複数の物理体に分散させ、効率的に光合成と情報収集を同時にこなす“マルチタスク・マリモ”こそが、次世代のリーダーになる」と説いている。授業では、自らの体細胞をゆっくりと引きちぎる『自分自身の断捨離』や、分裂した個体間で光信号を送り合う『分身テレパシー演習』など、これまでの生物学を根本から覆す内容が連日展開されている。
この教育改革の背景には、近年の湖底における情報化社会の進展がある。単一の意識で一つの球体を守り続ける従来の方法では、水流の変化やザリガニの侵攻に対してレスポンスが遅れるという弊害があった。学校側は、分裂して小さな集団となることで、湖全体を広範囲にモニタリングできる「分散型ネットワーク社会」の構築を目指している。補足として、この授業を受けたマリモたちは、分裂後に「自分がいっぱいいて、何が何だか分からないが非常に気分がいい」という感想を述べており、精神的な解放感も得られているようだ。卒業生は単体での就職を諦め、今後は「チーム・マリモ」として合同会社を設立し、湖底の不動産管理や栄養素の共同購入といった経済活動に乗り出す予定だという。
世間の反応は賛否両論だ。湖畔の古参マリモたちからは「球体こそが至高の美学である。分裂するなど邪道だ」といった保守的な意見が上がる一方、若いマリモ世代からは「むしろ一つに縛られるほうが窮屈だった。これでやっと効率的な人生が送れる」と熱烈な支持を得ている。また、SNS上では「昨日の授業で分裂しすぎて、自分の本体がどこにあるのか分からなくなった」という生存確認の投稿が相次いでおり、個体識別番号の付与を求める嘆願書が阿寒湖漁協に提出されるなど、思わぬ混乱も招いている。阿寒湖小の校長であるマリモ博士は、「混乱こそが成長のスパイス。いつか我々は一つの巨大な水草の絨毯のような、全知全能の集合意識へと進化するだろう」と強気なコメントを残した。
阿寒湖小、マリモの「多重人格化」を奨励!球体を解体して分身する『自己増殖型アイデンティティ』授業が始動
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