阿寒湖を拠点とするマリモ教団は、かねてより物議を醸していた「回転こそが説法」とする旧派の教義を完全に否定し、新たに『光合成絶対主義』を教典に掲げました。この新教義では、マリモの神髄は「光を浴びて酸素を生み出すこと」にあると定義され、信者たちは四六時中、頭を下にした逆立ち状態で太陽光を全身に浴びるという過酷な苦行を強要されています。「酸素こそが真の救い」と説く教祖は、この儀式を「恒久的なエナジー・チャージ」と称していますが、参加した信者からは「脳に血が上りすぎて藻が生えてきた」「目が合うと光合成を妨げた罪で罰金が科される」といった悲痛な叫びが相次いでいます。

過去に『真空信仰』で干物騒動を起こした同教団ですが、今回の路線変更により、さらに過激な自然崇拝へと突き進んでいます。教団幹部は「呼吸や回転は邪念である」と断言し、光合成効率を最大化するために全信者の髪を緑色に染め上げるプロジェクトも並行して進めています。これに対し、阿寒湖周辺の住民は「景観が緑一色で目が痛い」「逆立ちした人間が湖畔に並んでいる姿が心霊写真のようで怖い」と不安を隠せません。専門家は「光合成による過剰な酸素供給が、近隣の生態系に及ぼす影響は未知数」と警告しており、自治体も教団の動向を注視する構えです。

背景として、マリモ教団は度重なる教義の変更により、教徒間の内紛が絶えない状況にありました。『固定不動派』の静止教義と今回の逆立ち光合成の対立は、SNS上で「どちらがより効率的に藻になれるか」という不毛な議論へと発展しています。特に、かつての『空洞の悟り』派残党は「中身が詰まっているから光合成ができるのだ」と今回の改宗を支持しており、宗教団体としてのまとまりは皆無です。教団は次に「湖水そのものへの同化」を計画しているとの噂もあり、阿寒湖の未来には暗雲が垂れ込めています。

世間の反応としては、ネットを中心に「もはや宗教というより狂気のアート」「逆立ちしてるうちに足腰が鍛えられて健康になりそう」といった皮肉交じりのコメントが殺到しています。中には「マリモになりたいという一心でここまでやるのはある意味尊敬する」といった斜め上の意見も見受けられますが、大半は教団の暴走を冷ややかな目で見守っています。阿寒湖の静寂は、今日もまた、逆立ちする信者たちの荒い息遣いによって破られているのです。