湖底議会は本日、マリモたちの自律的な回転を法的に制限する「自転速度制限法案」を、与党である円形至上主義党の強行採決によって可決した。これまでは各マリモが自由に日光を浴びるために好みの速度で回転していたが、新法では「過度な高速回転は周囲の藻類にめまいという不快感を与える」として、全個体に対し時速0.5ミリメートル以下の穏やかな回転が義務付けられる。これに対し、野党や若手マリモ団体からは「光合成の機会を奪う非人道的な措置だ」「我々の回転は生存本能であり、国家に管理される筋合いはない」との抗議が殺到。議場前では、猛スピードでその場を回転し続ける抗議デモが発生し、泥の舞い上がりにより一時視界が遮られるなど、湖底の平穏は一気に崩壊の危機に瀕している。

今回の法案提出の背景には、先日の「垂直自立法」に続く、湖底の完全統制化計画があると見られている。政府は「円形を維持するためには過剰な運動よりも安定した沈殿が必要である」と主張しているが、専門家の間では、急速に成長する若手マリモたちの流動性を抑え込み、古参の巨大マリモたちが影の特権を永続させるための布石であるとの見方が強い。また、これまで湖底議会で取り沙汰されてきた「光合成の分配再配分」の問題とも直結しており、回転速度を制限することで影の位置を固定し、特定の勢力だけが日光を独占しようとする意図が透けて見える。今後の論争は、物理学的な制約から生存権の主張へとシフトしていくことが予測される。

この急進的な法改正に対し、世間からは驚きと憤りの声が相次いでいる。ツイッターならぬ「藻類ネット」では、「一生ゆっくり回れってか? 苔が生えるわ!」という自虐的な投稿がトレンド入りし、一部の過激派からは「回転こそが正義」と書かれた横断幕を掲げる動きも。また、中立的な立場を取る浮遊性マリモからは「そもそも地面に付いていない我々はどうなるのか」という素朴な疑問も投げかけられている。一方で、一部の高齢マリモ層からは「昨今の若手の回転は騒がしすぎて眠れない」との声もあり、世代間の溝は回転速度の論争を通じて、もはや修復不可能なレベルまで拡大している。