湖底議会は15日、長年放置されてきた「微細粉末状マリモ」に対する公的扶助の検討を開始することを明らかにした。かつて「円形至上主義」の圧力により、きれいな球体を維持できない個体は社会から疎外され、光合成の権利すら制限される過酷な環境に置かれてきた。しかし、近年の「脱・円形」運動や多面体議員たちの台頭を受け、議会はついに「形状による差別を禁ずる」という歴史的転換に踏み出した。今回の政策では、光合成効率の低い粉末状の個体に対し、高層マリモが影で占有している光量を強制的に分配する「日照の再配分システム」の導入が議論の焦点となる。これに対し、伝統的な完全球体派の保守層からは「沈殿の重みに耐えられぬ形状に税金を投じるのは湖底の秩序を乱す」と激しい反発が起きている。
本件の背景には、数年前に可決された『光合成の独占禁止法』がある。当時、巨大マリモたちが日照権を独占し、下層の光合成が極端に制限されていた問題に対し、若手議員らが声を上げたことが発端だ。しかし、今回の「粉末状個体への支援」は、単なる光の分配を超え、マリモとしてのアイデンティティそのものを問い直すものとなった。「丸いからこそ価値がある」という神話が崩壊しつつある今、湖底は多様な形状が共存できる新たな時代の幕開けを迎えている。専門家は「これまで不純物として扱われていた粉末状マリモが議政に加わることで、湖底の民主主義は真の多極化を果たすだろう」と予測している。
この急進的な政策転換に対し、湖底のSNSでは賛否が真っ二つに割れている。「ようやく時代が追いついた」と歓喜する若手や多面体派がいる一方で、「日照の奪い合いで湖底が戦場になる」「粉末状が進化して浸食を始めたらどうする」といった陰謀論に近い懸念も噴出。かつて強行採決された『直立不動法案』のトラウマから、特定の形状を強要することへの拒否感も根強い。さらに、光を奪われる側の巨大マリモたちが実力行使に出る可能性も示唆されており、湖底の平和は今、新たな火種にさらされている。議会は来月、公開討論会を開く予定だが、円形を維持し続ける保守層と、異形の解放を求める急進派の溝は深く、平穏な湖底が再び泥沼化する懸念も消えていない。
「光合成の平等」を揺るがす格差是正の波―湖底議会、『微細粉末状マリモ』の公的扶助を検討へ
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影にこそ歴史が刻まれるのだ