阿寒湖の深部にて、またしても「マツモによる心霊的美容介入」の被害が報告された。今朝、湖底のプライド高きエリート球体たちが目を覚ますと、彼らの滑らかな表皮には、見覚えのない緑色のフサフサとした繊維状の物体が、あたかも高級エクステのように強引に植え付けられていたのだ。被害に遭ったマリモたちは、自らのトレードマークである「完全な球体」が、マツモの独断先行による「謎のロングヘア」へと変貌させられたことに激昂。現場には散乱した藻の残骸と、自信を喪失したマリモたちのすすり泣きが響き渡った。

今回の事件は、湖底に潜伏するマツモ集団による「前衛的おしゃれ啓蒙活動」の一環と見られている。彼らは「丸いだけの人生に彩りを」という謎のスローガンを掲げ、睡眠中のマリモに忍び寄っては、無許可で光合成効率を無視したド派手な装飾を施しているという。専門家は「彼らは美意識の押し売りをしているだけだが、被害を受けたマリモにとってはアイデンティティの侵害に近い」と指摘。もはや湖底は、静かな球体の集い場から、一寸先は闇の美容戦場へと変貌してしまったようだ。

本件の背景には、近年湖底で蔓延している「幾何学革命」という思想的対立がある。丸さを至高とする伝統派に対し、一部の水草たちは「異種との共生こそが進化の鍵」という過激な思想を抱いており、マツモによる今回の介入は、実質的な「異種交配強制」であるとの見方が強い。環境保全委員会は「勝手に増毛する行為は環境破壊に他ならない」と警告を出しているが、マツモ側は「我々は単に、彼らの退屈なシルエットに風穴を開けたかっただけだ」と反論しており、和解の兆しは見えない。

このニュースを受け、湖底のSNS『Algae-gram』では、被害を受けたマリモたちによる悲痛な投稿が相次いでいる。「もう丸い自分に戻れないのか」「マツモのセンスが壊滅的で泣ける」といった嘆きが投稿される一方で、一部の若手マリモからは「実はちょっと今風で気に入っている」という裏切りともとれる投稿も現れ、湖底の世論は分断の危機に瀕している。丸さを守ろうとする保守派と、突如として生まれた無許可エクステ派。この奇妙な髪型戦争の火蓋は、今まさに切られたばかりだ。