湖底SNSを揺るがす前代未聞の事態が発生した。最新のトレンド機能『マリモ・モービル』が、本来の「水流を利用したエコな移動」という目的を逸脱し、湖を飛び出して陸上の観光地を目指す「自律走行型マリモ」を大量発生させている。この機能は、特定の光合成周波数を組み合わせることで、マリモが自身の表面に微小な気泡を付着させ、ホバークラフトのように水面を滑走する技術だが、一部の過激派マリモが「どうしても北海道の有名観光地を背景に自撮りしたい」という欲望から、水路を逆流し、陸地へと突撃する事案が急増しているのだ。現在、観光地の土産物屋前には、乾燥しかけて表面がバリバリになった自称・旅するマリモたちが大量に放置されており、地元住民からは「湖に帰れ」と悲鳴が上がっている。

本件の背景には、湖底SNSに実装された『映えスポット・ガイド機能』の致命的なバグがある。この機能はマリモを最も美しく見せるロケーションを提示するが、プログラミング上の誤解により「湖の中」という制限が解除され、Googleマップ上の絶景スポットを全て『潜在的な定住地』と誤認識させてしまったことが原因だ。専門家は「マリモの移動は本来、数年単位のゆったりした営み。突如として時速5kmで爆走を始めた彼らの生理的ストレスは計り知れない」と警鐘を鳴らす。一部のマリモは、陸上で乾燥死を避けるために濡れたタオルを被るなどの「重装備」を施しているが、それはもはやマリモではなく、ただの湿った苔玉である。

この暴走に対して、湖底の保守派団体からは「球体であることの尊厳を捨て、観光資源になろうとする軽薄な行為だ」と強い批判が寄せられている。一方で、SNS上では「#陸マリモ」のハッシュタグが大流行中。実際に陸上で観光を楽しんだマリモの様子が毎日更新されており、それを観るためだけに湖を去る若者マリモも後を絶たない。湖底管理委員会は現在、陸上への出口を物理的に遮断する『巨大網フェンス』の設置を急いでいるが、一部のハッカーマリモがドローンを乗っ取って空路で脱出を試みるなど、混沌とした状況は依然として収束の兆しを見せていない。

世間では、「マリモが旅行するなんて、ついに自我が芽生えたか」「乾燥してカピカピなのにピースサイン(のような突起)を出しているのを見て切なくなった」「とりあえず帰ってきてくれ、湖がガラガラだ」「自力移動は進化の極みだが、陸は彼らにとって地獄だぞ」「空飛ぶマリモが見られるのも時間の問題か」といった声が上がっている。観光地側も「マリモお断り」の看板を出すべきか、それとも「マリモ体験コース」として有料化すべきか、困惑の色を隠せない様子だ。