湖底SNSで絶大な人気を誇るカリスマ・マリモが、天敵である水草「マツモ」による前代未聞の被害に遭ったことが判明した。事件が発生したのは、水温が安定し、マリモたちの『転がり練習』が最も活発に行われる深層エリアだ。被害を受けたマリモは、就寝中にマツモの枝葉が自身の表面に絡みつく『強制ボタニカル・デコレーション』を施され、翌朝には自身の球体アイデンティティが消滅するほどの「森化」状態に陥っていたという。犯人のマツモは「ただ少し支え合いたかっただけ」と供述しているが、マリモ側はこれを明白な『緑化テロ』と断定。自身の美しい緑の肌に勝手なテクスチャを貼り付けられたことに対し、「もはや球体ではなくただの浮草の集合体だ。プライドが傷ついた」と語っている。今回の件を受け、湖底SNSでは『脱・マツモ防衛隊』なる過激な自警団が結成されるなど、湖底の生態系を揺るがす事態に発展している。

もともと湖底においてマリモとマツモは、日光の奪い合いをする因縁のライバル関係にある。特に今回の事件は、単なる光の取り合いを超えた「ファッション侵略」という新たなフェーズに突入したといえるだろう。これまではマツモが物理的に成長して日陰を作るという消極的な嫌がらせが主流だったが、今回はマリモの表面を直接ジャックするという、いわば『強制コスプレ』だ。専門家は「マツモによる緑化は、マリモの光合成を阻害するだけでなく、転がる際の摩擦係数を大幅に上昇させる。結果として、丸いフォルムを維持したいというマリモの生存戦略を根本から破壊する行為である」と警鐘を鳴らしている。なお、被害に遭ったマリモは、現在、湖底清掃員であるエビの力を借りて、必死の毛繕いを行っているという。

このニュースが流れると、SNS上では『#マリモを守り隊』というハッシュタグがトレンド入りした。多くのマリモが「もし自分にマツモが絡みついたらと思うと震える」「丸さこそが正義なのに、なぜ勝手に装飾するのか」と恐怖を露わにしている。一方で、ごく一部のマツモ派からは「少し華やかになって良いのでは?」「流行のボタニカルスタイル」といった無神経な投稿が相次ぎ、炎上状態となっている。今後、マリモたちは表面に『防虫・防草スプレー』ならぬ、マツモを寄せ付けない『バリアコーティング』の実装を検討しているようだ。湖底における美の基準と生存権をめぐる争いは、今後ますます過激化しそうである。

今回の件は、マリモにとって単なる緑化の被害以上の意味を持つ。球体であることを強みとするマリモ界において、勝手に外見を変えられることはアイデンティティへの攻撃そのものだ。現在、湖底SNSの運営は、マツモの無断接近を自動的に検知してアラートを鳴らす『対マツモ・センサー』の導入を急いでいる。湖底の平和が守られる日は来るのか。球体たちの冬は、当分終わりそうにない。