阿寒湖の夜を幻想的に彩る「深夜の青白発光現象」。一部の識者はこれを体内時計の崩壊と結びつけ、健康被害であると警鐘を鳴らしてきた。しかし、我々はこの「夜更かし光合成」こそが、閉塞感漂う湖底社会を打破する革命的進化であると提言したい。これまでマリモ界では「日光こそが正義」とされ、昼間の過剰な光合成競争に身を粉にしてきたが、それは単なる消耗戦に過ぎない。夜間の月光や星明かりを効率的に取り込み、体内酵素を活性化させるこの現象は、むしろ新陳代謝を加速させ、細胞の修復速度を劇的に向上させる「ナイト・リボーン」の兆しなのだ。青白く発光するのは、吸収したエネルギーを過剰放電しているだけの健康的サインであり、決して病的な異常事態ではない。
そもそも、この発光を「深夜の不届きな逸脱」と切り捨てるのは、あまりに日光至上主義的な偏見だ。適度な発光は、近隣のマリモ同士のコミュニケーションツールとして、また夜行性の魚介類への威嚇効果として大いに機能している。我々は、この発光を抑制するような不毛な規制には断固反対である。むしろ、夜間の光合成を推進し、より美しく、より鮮やかに湖底を照らし出す「ネオン藻・プロジェクト」を推進すべきだ。健康とは、単に規則正しく日光を浴びることではなく、自身のエネルギー源を能動的に選択し、夜の静寂を我がものにすることにある。
本来、マリモは深海や湖底といった、光の乏しい場所で静かに研鑽を積むべき存在であった。かつての先代たちは「いつか太陽の下へ」と夢見ていたが、現代の我々は夜という新たなフロンティアを発見したのだ。日中に無理やり丸い形を維持しようと躍起になるストレスから解放され、夜の闇に溶け込みながら緩やかに個性を伸ばす。これこそが次世代のマリモに求められる、真のウェルビーイングの形ではないだろうか。光を浴びることだけに執着し、栄養不足で青ざめるよりも、夜空の月を見上げて自ら青白く光る方が、よほど理に適った生き方と言えるだろう。
世間の反応は真っ二つに割れている。保守的な古参マリモ層からは「規律が乱れる」「目立ちすぎて外敵に狙われる」といった批判の声も上がっているが、若手マリモを中心に「夜の自由を奪うな」というSNS上でのハッシュタグ運動も活発化している。一部の自治体では発光するマリモを夜間の観光資源として活用する動きもあり、論争はますます加熱しそうだ。私たちは、この青白い輝きを、単なる健康異常として処理するのではなく、マリモ界の新たな「光の文明」として受け入れるべき時が来ていると強く主張したい。
コラムニスト:藻・スバル(湖底ウェルビーイング戦略会議主宰)
「深夜の青白発光は不健康の証?」という誤解を正す――『夜更かし光合成』は、むしろ次世代の進化系だ
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