長年、阿寒湖の平和を乱してきた水草・マツモによる『絡まり強盗』に対し、マリモ防衛同盟がついに重い腰を上げた。これまで多くのマリモが美しい緑の繊維を奪われ、バラバラに解体されるという悲劇に見舞われてきたが、この度、マリモ界の法務チームが水草・マツモに対して『湖底独占禁止法』違反の疑いで提訴を開始した。今回の訴状では、マツモの過剰な増殖による「光合成領域の不当な占有」と「物理的な結束による他生物への嫌がらせ」が重点的に指摘されている。原告側の首席弁護士である老練なマリモは、「私たちは球体としての美学を追求している。繊維状の奴らに私たちのプライバシーを侵害させるわけにはいかない」と強硬姿勢を崩していない。

本件の背景には、近年の湖底におけるマツモの急速な縄張り拡大がある。光合成効率を最大化するために特殊な音響兵器を開発してきたマリモ陣営だったが、物理的に絡みつかれるという古風かつ泥臭い嫌がらせには手を焼いていた。法的なアプローチを選択したのは、武力衝突が続くと阿寒湖自体の観光資源としての価値が揺らぐという、湖底生態系委員会からの強い勧告があったためである。なお、マツモ側は「絡まっているのではなく、一緒にダンスをしているだけだ」と主張しているが、専門家からは「強制的な社交ダンスは強盗と変わらない」との批判が相次いでいる。裁判は来週、湖底の最深部にて行われる予定だ。

このニュースを受け、湖底住民たちの間では期待と不安が入り乱れている。マリモ側は「これでやっと球体としての誇りを取り戻せる」と歓喜に沸く一方、一部の過激派マリモからは「法など待たずに、今すぐマツモを消し去るための自転回転数を限界まで引き上げるべきだ」という主戦論も根強く残る。また、SNS上では『#マツモの絡まり被害』というハッシュタグがトレンド入りし、被害を受けたマリモたちが自身の無残な姿を投稿する「悲劇のコレクション」が拡散されている。今回の裁判結果次第では、阿寒湖はかつてない静寂、あるいは法による縛りという名の新たな戦火に包まれることになりそうだ。