湖底の住人たちの間で、近年「いかに丸く、いかに緑を濃く保つか」という外見至上主義が加速している。しかし、その歪んだ美意識が新たな健康被害を招いているようだ。過度な紫外線対策として、あえて湖底の深い砂利の中に身を隠す「美白派」のマリモたちの間で、深刻な『光不足・退色パニック』が急増している。本来、活発な光合成を必要とするマリモにとって、日光を拒絶する行為は自殺行為に等しい。最新の調査によると、日光を数週間避けた個体は、みるみるうちに色が抜け、最後にはまるで干からびた海苔のような茶色に変色し、自己のアイデンティティを見失うという。専門家は「緑こそが我々の誇り。過剰な遮光は、細胞内の葉緑体をパニックに陥らせる」と警鐘を鳴らしている。

本来、マリモは強い日差しを浴びることで、その細胞密度を高め、美しい球体を維持している。しかし、SNSでの映えを意識するあまり、あえて暗闇に引きこもり、極限まで色素を薄くする「脱・緑色化」が若者の間で一種のステータスとなってしまった。日光を過剰に忌避するあまり、光合成のスイッチが完全にオフになり、自律神経ならぬ「光合成神経」が機能不全を起こすケースも報告されている。湖底の医師団は、日光浴の推奨時間を定めたガイドラインの策定を急いでいるが、流行の波に飲まれたマリモたちの耳には、なかなか届かないのが現状だ。

マリモの美白ブームは、昨今の「湖底環境の透明度向上」が皮肉にも影響している。光が届きやすくなったことで、従来よりも日焼け(緑の濃淡)が顕著になり、「眩しすぎて落ち着かない」と感じる個体が増加。そこにインフルエンサー的な古参マリモが「日光に頼らない、儚げなベージュ系こそが至高」と発信したことで、一気に退色志向が広がった。今や、湖底では日焼け止め代わりの泥を厚塗りする個体や、影を探して高速回転で逃げ回るマリモの姿が日常茶飯事となっている。

この現象に対し、古参の長老からは「若造は緑を忘れたのか!」と憤りの声が上がっている。一方、流行に敏感な若手からは「日焼けでゴワゴワになるのは嫌。柔らかい肌質を維持したい」との反論が続出。湖底の世論は二分しており、もはや単なる健康問題を超えた、マリモ界の分断とも言える様相を呈している。SNSでは「#色素薄い系マリモ」「#太陽なんていらない」といったハッシュタグがトレンド入りしており、健康被害を訴える投稿よりも、映えを優先する投稿の方が拡散されているのが現実だ。