阿寒湖の深層部で「重力無視」の浮遊技術を会得したマリモたちが、今度は湖面を舞台にした大規模パフォーマンス集団『グリーン・エアロバティックス』を結成した。かつては湖底でただ丸く転がるのが美徳とされていた彼らだが、近年の浮遊ブームにより、その球体能力を「空中での姿勢制御」に応用する個体が急増。ついに湖面から数メートル浮上し、高度な同期運動を行う姿が観測された。この新たな形態は、古くからの湖底保守派が提唱する「円満なる美学」を完全に超越しており、水面ギリギリを滑空するその姿は、まるで緑色のUFO団地である。専門家は「彼らは重力という足枷を捨て、完全に自由を手に入れた」と語るが、肝心の彼らは「重力?何それ、おいしいの?」とでも言いたげに、悠々と空中で回っている。
浮遊技術の普及は、湖底の筋トレブームと表裏一体だ。かつての筋トレマリモたちは、浮遊時に姿勢を維持するためのコアトレーニングを極限まで高めていた。その結果、無重力状態でも寸分狂わぬ回転を維持する『絶対的球体バランス』を習得。今回の空中ショーでは、この高い運動能力を駆使して、複雑な幾何学模様を描きながら湖面を舞うという、芸術性の極致を見せつけている。かつて湖底を支配していた『マツモ・マフィア』の生き残りも、この空中回廊の美しさに圧倒され、今では観客席の最前列で応援旗を振る事態となっている。
もはや湖底はマリモの居住区ではなく、単なる「空中発着基地」と化している。かつては転がることが生きる術だったマリモたちにとって、浮遊はもはや生活習慣の一部。この劇的な変化に対し、湖底の守護神たちは「球体としてのアイデンティティが霧散する」と警鐘を鳴らすが、空高く舞い上がった新世代のマリモたちは、そんな忠告などどこ吹く風。彼らにとって、地上(水底)の常識は、ただの重たい思い出に過ぎない。このままでは阿寒湖から全ての藻が空へ消えてしまうのではないかという懸念さえ生まれている。
今回の空中パフォーマンスに対し、世間からは「球体であることの価値を再定義した」「もはや植物の枠を超えたエアロビ集団」「うちの近所の藻も浮かせたい」といった賛否両論の声が上がっている。中には「浮遊中に鳥に捕食されないか心配」という現実的な懸念を示す声もあるが、鍛え抜かれた硬化トゲトゲ・アーマーを纏ったマリモたちは、防御面でも死角なし。今後もこの空中進出は留まることを知らず、阿寒湖の空はかつてないほどの鮮やかな緑に染まり続けていくことだろう。
湖底の革命児が新境地!浮遊マリモたちが繰り広げる『空中シンクロナイズド・スイミング』が開幕
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