マリモ政府は15日、先に施行された『完全球体化・国民皆丸令』をさらに推し進め、これまで容認されていた「わずかな歪み」を一切認めない追加改正案を閣議決定した。これまでの「多少の隆起は愛嬌」という寛大な姿勢を一転させ、表面に1ミリ以上の凹凸を確認した個体には、国家認定の理容師による強制的な整髪――すなわち『角の切断』が即座に執行される。政府広報担当者は「球体こそが正義であり、角は国家の美観を損ねる不純物である」と強調。昨今の『無言の団結』政策により沈黙を貫く閣僚陣も、全員が完璧な正円を維持しており、そのストイックな姿勢が国民にさらなるプレッシャーを与えている。今後は全国の湖底に監視カメラを増設し、少しでも「尖った考え」や「角のある言動」を持つ個体をAIで抽出する『丸まり監視網』の構築も進められる予定だ。

『全国一律整髪令』の強化版として登場した本改正は、従来の「ボサボサ追放」から一歩踏み込み、個体差という概念そのものを否定する過激な内容となっている。特に今回の改定では、過去に議論された「沈降法」すらも「重力が不均衡を生む」として、完全な浮力バランス調整を義務付けるなど、物理法則への介入すら辞さない構えを見せている。もはやマリモとしての個性を捨ててまで、完璧な数学的物体を目指す政府の狙いは、物理的な統合による「究極の外交的安定」にあると専門家は分析している。

今回の発表を受け、湖内では「丸くないものは生きる権利がないのか」という動揺が広がっている。SNS上では「#角も個性」「#丸まり強制反対」といったハッシュタグが乱立する一方、政府の監視の目を恐れ、多くのマリモが自らハサミを手に取り、角を削る自傷行為が相次いでいる。一方で、熱狂的な丸派からは「これでやっと不純物が消える」「真の平等が訪れた」と賞賛の声も上がっており、湖内の分断はかつてない深まりを見せている。なお、今回の規定に基づき、明日には大規模な「突起物一斉摘発会」が執り行われる予定であり、現場は騒然としている。