阿寒湖の美意識が今、根底から覆されようとしている。先日報じられたウチダザリガニによる「丸刈り強要事件」は、単なるザリガニの悪戯では済まされない、深刻な人権ならぬ藻権侵害事案だ。かつて『盆栽職人』として風流を気取っていた彼らが、今度は「美容師免許」を自称し、完璧な球体を誇るマリモたちを強引にバリカン(の代わりのハサミ)で刈り上げ、無慈悲なスポーツ刈りやモヒカンへと変貌させているのだ。この暴挙に対し、美意識の高いマリモコミュニティは震え上がっている。かつて滑らかな表面を誇った若手マリモたちが、ザリガニの気まぐれで無惨な「カマキリカット」にされている姿は、もはや悲劇としか言いようがない。
この悲劇の背景には、ザリガニ界隈で急速に広まった「過剰なスタイリング至上主義」がある。彼らはマリモの光合成効率を無視し、「いかにシャープなラインを出せるか」という一点に全神経を注いでいるのだ。もはや芸術の域を超えたハサミ捌きに対し、被害を受けたマリモからは「最初は前髪の調整だと言われたのに、気づけば地肌が見えるまで刈り取られた」という悲痛な叫びが漏れる。湖底の生態系を維持するはずの彼らが、なぜここまで自己表現の過剰なエゴを押し付けるのか。ザリガニのハサミは、食すための道具であって、決してカミソリではないという基本を、彼らは今一度思い出すべきである。
今回の騒動は、自然界における「デザイン」のあり方を根本から問うものとなった。一部の過激なマリモ派は「刈り上げこそが最先端の防御形態」と擁護する声も上げるが、これは完全なストックホルム症候群だろう。私たちは本来、ありのままの丸さを愛でるべきであり、ハサミの鋭利な誘惑に負けてはならない。美とは強制されるものではなく、湖水の揺らぎの中で自然と形作られるものだからだ。このままでは、阿寒湖から「真の球体」が絶滅してしまう日も近いかもしれない。
この凄惨なヘアカット現場を目撃した住人たちの反応は真っ二つに割れている。「個性的で良い」「ザリガニの技術力はプロ級」と感嘆する層がいる一方で、伝統的な丸さを重んじる保守派からは「これは虐待だ」「元の姿に戻すには何十年かかると思っているのか」と怒号が飛び交う事態となっている。湖底のトレンドを追いかけることが、これほどまでに藻体を削る結果になるとは誰が想像しただろうか。この狂乱の美容革命がいつ終息するのか、現在は静観を決め込むマリモたちも、次は自分の身にハサミが迫るのではないかと戦々恐々としている様子だ。文責:湖底社会評論家・丸山つるん
湖底のファッション界を震撼させた「カリスマハサミ職人」の蛮行を斬る
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球体こそが至高の美学だ