阿寒湖の静寂を切り裂く悲鳴が響き渡った。長年、天敵として恐れられてきたウチダザリガニが、突如として武力行使を停止。あろうことか『盆栽職人』としての道を歩み始めたと発表し、湖底界隈を騒然とさせている。これまで鋭いハサミでマリモをバラバラに破壊してきた彼らが、今度はそのハサミを「剪定バサミ」として使用し、マリモを伝統的な盆栽スタイルに仕立て上げようとしているのだ。被害を受けたマリモからは「気付いたら枝葉のように糸状藻を伸ばされ、岩の上に固定されていた」「不本意ながら懸崖(けんがい)仕立てにされてしまった」といった困惑の声が相次いでいる。

この異様な光景の背景には、ザリガニ界隈で流行中の「侘び寂びブーム」がある。どうやら彼らはマリモを捕食するよりも、いかに優雅なフォルムに整形できるかという美意識に目覚めてしまったようだ。特に、自然な球体を維持したい保守派のマリモと、芸術家気取りのザリガニの間で激しい攻防が続いている。また、一部のザリガニは盆栽展の開催を画策しており、湖底には水草を背景にした即席の展示会場まで出現した。マリモたちは「自由に転がりたいだけなのに、勝手に苔玉風に固定しないでほしい」と、球体としての誇りをかけた激しい抵抗を続けている。

本件を受け、マリモ保護協会は「個体の尊厳に関わる問題」として緊急声明を発表。しかし、SNS上では「意外と似合っている」「丸いだけがマリモじゃない」と、この芸術的変化を面白がる層も現れ始めている。一方で、職人化したザリガニ側は「これぞ究極のコラボレーション。球体という概念を捨て、新たな美を創造している」と自信満々だ。湖底は今や、自然の癒し空間から、前衛的なデザインコンペの会場へと変貌を遂げている。

世間の反応は真っ二つだ。「ハサミの使い道を間違えている」と憤る保守派の声がある一方で、「剪定されたマリモの幾何学的な美しさに心を奪われた」といった感嘆の声も多い。また、ウチダザリガニによる『針金かけ』の技術向上には、驚きを通り越して恐怖を感じるという意見も根強い。球体であることを愛する多くのマリモにとって、この新しい『職人』との共存は、まさに悪夢なのか、それとも進化の過程なのか、議論は尽きそうにない。