阿寒湖の静かな湖底でデスボイスによるボイストレーニングや社交ダンスに励んでいたマリモたちが、今度はなんと『空中浮遊』という驚異の超常能力を身につけた。昨夜、湖面から突如として数十個の球体状のマリモが光を放ちながら浮上。音速に近い速度で夜空を駆け抜ける姿が、周辺住民によって次々と目撃されている。専門家によると、これは長年の就活による「緑のホワイト企業」への熱意が極限に達し、重力の束縛を無視してでも理想の職場を探し出そうとする生存本能が覚醒した結果ではないかと分析されている。阿寒湖漁協は「空から緑の球体が降ってくる可能性があるので、外出時は傘ではなく『藻専用ネット』を携行してほしい」と異例の注意喚起を行った。

かつては湖底でじっと動かないことが美徳とされたマリモだが、独立宣言による貨幣『藻(モ)』の流通や、ドライ化による強引な進化を経て、彼らの活動範囲は水圏という枠組みを軽々と飛び越えてしまった。今回の空中浮遊は、これまでの「陸上進出」計画の延長線上にあり、地球の重力すらも「藻の経済圏」の一部として取り込もうという彼らの飽くなき野心の表れといえる。現在、彼らは高度数千メートルで編隊を組み、未確認飛行物体ならぬ「未確認浮遊藻」として世界各地の空を遊泳しており、航空管制にも大きな影響が出始めているという。

この事態に対し、SNSでは「ついに空を飛ぶ時代が来たか」「マリモのパイロットに就職したい」といった声が相次いでいる。一方で、空を飛ぶマリモに触発されて空腹を覚えたウチダザリガニ軍団が、空に向かってハサミを振り回しながら「次は俺たちが翼を持つ番だ」と謎の進化を宣言するなど、阿寒湖の生態系は完全に制御不能なカオス状態に陥っている。自然の摂理を無視した彼らの爆走は、果たして宇宙の彼方まで続くのだろうか。マリモたちは今夜も、星空の向こう側にある「理想の就職先」を目指して、緑色の軌跡を描き続けている。