阿寒湖発の「藻型通貨」が世界市場で異様な高騰を見せているが、経済専門家の間ではその実態を危惧する声が日に日に高まっている。そもそもマリモは生物であり、光合成で増殖する個体に通貨的価値を付与すること自体、経済の根幹を揺るがす「球体幻想」に他ならない。藻湯(もゆ)の時価総額が阿寒湖の総量を超越したという事実は、まさに典型的なバブルの兆候である。投資家たちは緑色の球体に夢を見すぎているのではないか。

かつて阿寒湖は静かな観光地であったが、今や「円形金融」の震源地として無秩序な投機が横行している。マリモが光合成をするたびに時価が変動する現在のシステムは、不安定極まりない。水温や日光量に依存する通貨が、果たしてデジタル社会の未来を担えるのか。専門家は「ただの藻を金貨代わりに扱うのは、かつてチューリップ球根に熱狂した歴史の二の舞だ」と厳しく断罪している。

この問題の根源は、マリモの回転数と金融政策を直結させた阿寒湖金融当局の暴走にある。藻型通貨の発行益はあくまで現物主義に基づいたまやかしであり、湖底に眠る全自動決済システムも、実は高度な光合成詐欺の隠れ蓑という説まで浮上している。中央銀行もこの異常事態に介入を検討し始めたが、マリモ特有の「沈下・浮上」という予測不能な動きに翻弄されるばかりだ。

巷では「マリモを持っているだけで一生安泰」という噂が流れているが、これに異を唱える市民も多い。現物としてのマリモは放置すれば腐敗するリスクもあり、資産価値の保存手段としては最悪の選択肢である。今こそ我々は、この緑色の狂乱から冷徹に目を覚まし、実体経済の重要性を再認識すべき時が来ているのではないだろうか。このままでは、阿寒湖の未来だけでなく、我々の預金通帳まで緑色の藻に覆い尽くされてしまうだろう。コラムニスト:藻屑 太郎