阿寒湖の湖底が、かつてない知的興奮に包まれている。これまで光合成と自己分裂で絆を深めていたマリモたちが、なんと独自の言語体系「藻(モ)語」を確立したことが判明した。発端は、先週行われた「日照時間最適化フォーラム」だ。ある巨大マリモが泡の出し方で複雑な意思疎通を図り始めたのを皮切りに、湖底全域で爆発的な言語進化が発生。現在は「どの岩の上が最も効率よくエネルギー変換できるか」という議題を巡り、数百のグループが激しい舌戦(気泡戦)を繰り広げている。現地の生物学者は「彼らの文法は我々の理解を遥かに超えているが、どうやら効率主義的な経営論を議論しているようだ」と困惑を隠せない。

かつてSNSでインフルエンサーとして名を馳せたマリモたちは、今や「湖底の哲学者」としての地位を確立しつつある。彼らはザリガニ養成ジムで鍛え上げた天敵たちを、今度は「議論の書記」としてこき使う始末だ。特に、陸上進出を画策する過激派と、湖底での安定供給を求める保守派の間で交わされる「光合成の極意」に関する論争は、あまりに専門的すぎて、中継を見ていた研究者たちが次々と睡眠不足に陥る事態となっている。これに対し、マリモ側は「情報量に対して処理速度が遅すぎる」と人類の知能に呆れているとの噂も流れている。

今回の騒動は、独立国家宣言後に制定された「光合成義務化憲法」の施行が影響していると見られる。限られた日光を巡る資源争いから、公平な分配を行うための知的な合意形成が必要となり、急速に言語が発達したというのが有力な説だ。なお、彼らが使用する「モ語」は、気泡の形状と放出スピードの組み合わせにより、単一の気泡で数千字分の情報を伝達できるという驚異的な圧縮技術が盛り込まれている。

「もはやマリモの方が我々より頭が良いのでは?」「明日の朝、大学で卒論を書いてもらおうかな」「湖底の民主主義が成熟しすぎていて笑えない」「光合成の最適解とか、意識高すぎでしょ」「ザリガニが議事録作成してるのシュールすぎる」と、SNS上では驚きと皮肉が入り混じった投稿が相次いでいる。一方で、「マリモの言論弾圧はないのか」といった政治的な懸念を示す声も散見され、阿寒湖の未来はさらなる混沌の渦中にある。