阿寒湖のマリモが刻む「回転数」が経済指標「阿寒湖平均」として採用されて以来、世界の投資家たちは日々、湖底のライブカメラに釘付けになっている。マリモが右回りに加速すれば株価は上昇し、逆に左回りに旋回すれば市場はパニックに陥るという、あまりに神秘的かつ理不尽な経済構造が完成してしまった。専門家によれば、マリモの回転は単なる生物学的な動きではなく、量子力学的な「地球の意志」を反映しているという説が有力視されている。

もともと環境保全のシンボルだったマリモが、今や世界経済の心臓部を握っている事実は、皮肉なほどに皮肉だ。以前、光合成発電で電気代をマイナスにした功績も霞むほど、この回転数相場は過激化している。最近では、マリモの回転を人為的に操作しようとする悪徳ブローカーまで現れ、湖底には24時間体制の警備艇が巡回する事態となった。経済合理性よりも「藻の気分」に左右される現在の市場は、もはやカジノよりも予測不可能だと言える。

かつて日本経済を支えた日経平均は、現在では「阿寒湖平均の添え物」に格下げされた。マリモの回転数がわずかに鈍っただけで、ニューヨークやロンドンの証券取引所が一時取引停止に追い込まれるなど、世界は阿寒湖の小さな湖底に全財産を依存している状態だ。これは投資家たちが、論理的な経済分析を放棄し、自然界の究極的な「気まぐれ」に救いを求めた結果といえるだろう。

この異様な光景を冷ややかな目で見る経済学者は「マリモの回転で一喜一憂する人間は、結局のところ緑のボールに遊ばれているだけだ」と語る。しかし、配当金がすべて「特製藻粉末」で支払われるようになってもなお、我々は阿寒湖の動きから目を離すことができない。経済は生き物とはよく言うが、ここまで文字通りになるとは誰も予想しなかったはずだ。もはや経済活動というよりは、高度な湖底宗教に近い。コラムニスト:緑の預言者・阿寒茂