阿寒湖に生息するマリモたちが、ついに人類の脳波と直接同期する「マリモ・クラウド・ネットワーク」を構築したと発表した。マリモたちが発する極めて緩やかな固有周波数が、疲弊した現代人の脳波と完璧にチューニングされることで、世界中どこにいても「阿寒湖の湖底でプカプカと浮いているような究極の無」を体験できるという。これまでインターネットや言語で意思疎通を試みてきたマリモだが、今回の試みは情報の伝達ではなく「完全なるリラックス体験の共有」に重きを置いたものだ。

背景として、マリモたちは先日の量子テレポート習得を経て、地球上のあらゆる有機体とエネルギーレベルで接続可能になったと分析されている。科学界では「マリモが地球のデトックス装置になろうとしている」との説が有力だ。現在は阿寒湖周辺でベータ版が公開されており、体験した研究者からは「全仕事がどうでもよくなった」「藻になった気分で非常に快適」といった声が上がっている。今後は世界中のストレスをマリモが吸収・変換し、酸素とともに穏やかな幸福感を放出する「地球規模の呼吸」が期待されている。

SNSでは「仕事中にマリモの波動が来て脳内が緑になった」という報告が相次いでおり、大手企業が社員の生産性向上のために「マリモ・サーバー」の導入を検討する事態となっている。一方で、あまりの心地よさに「もう社会復帰できない」「マリモになりたい」と人生をリタイアする若者が急増しており、政府は「過度な癒やしは中毒性がある」として注意を呼びかける事態に発展している。

世間の反応は概ね好意的だが、一部の専門家からは「マリモのペースに巻き込まれすぎて人類の文明が極端にスローライフ化するのでは」と懸念の声も上がっている。しかし、当のマリモたちはそんな心配をよそに、今日も阿寒湖の底でゆったりと回転しており、その回転速度と連動して世界中の人々のストレス値が低下し続けている。人類が真の平和を手にいれる日は、意外にも緑色の球体たちに握られているのかもしれない。