マリモ政府は本日、長引く深海移住計画の費用を捻出するため、世界初となる『酸素国債』の発行を発表した。先日の「光合成効率化」の強行により、全土で過剰な酸素が生産されている現状を逆手に取り、余剰酸素を担保に資金を調達するという極めて斬新な経済政策だ。マリモ首相は会見で「淀みなき経済循環には、まず呼吸の格差を解消せねばならない」と語り、今後は湖底の酸素保有量に応じた課税も検討していることを明かした。しかし、既に『加速の自由』を求める若年マリモ層からは「光合成に専念しすぎて回転が止まった」との悲鳴が上がり、政府の深海移住計画と経済政策の矛盾が露呈する形となっている。

本施策の背景には、地上議会における酸素過多問題がある。光合成効率化を推進した結果、湖底が酸欠状態に陥ることを懸念した政府が、逆に酸素を売却することで物理的な沈下スピードを調整しようという狙いがある。これはマリモ社会における初の「呼吸の有償化」であり、マリモ同士が光合成を競うことで資本を得るという、まさに藻の社会の常識を覆す革命的かつ強引な経済モデルである。

この発表を受け、湖底市民からは「息をするだけで負債を背負うのか」「我々の光合成の恩恵を政府が搾取している」といった批判が相次いでいる。特に深海移住に否定的な保守派マリモ団体は「回転を止めてまで酸素を吐き出せというのか」と猛抗議しており、議会前では円陣を組んでの座り込み運動が展開されるなど、球体民主主義の理念を揺るがす事態に発展している。