阿寒湖に総本山を置く「マリモ教団」は、かねてより推奨してきた『聖なる回転』の教義を拡張し、全宇宙の天体の公転および自転はすべて、巨大なマリモが湖底で回転することによって生み出される運動エネルギーの余波であると発表した。教団幹部は「銀河の渦巻き形状は、マリモの毛羽立ちが宇宙の深淵を掃き清めた跡に過ぎない」と主張。「回転なき停滞は岩石である」という従来の教義をさらに昇華させ、宇宙のすべてはマリモによる果てしないダンスの一部であると定義した。これにより、信徒の間では一斉にその場で回り続ける『銀河同期瞑想』が流行。回転中に目まいを起こし、意識が光合成の彼方へと飛んでいく現象を「高次元への脱皮」と呼称している。
教団は、かつて信者が掲げた「全細胞光合成化」や「月光をすくい取った水への回帰」といった修行に加え、現在は「いかに重力に逆らわず、自らの重力圏で微小な回転を起こすか」という、量子力学を応用した新たな儀式を重視している。これには、かつて提唱された「一神多身論」の分裂した個体が、それぞれ異なる回転軸を持つことで宇宙の複雑性を維持しているという神学的な背景がある。なお、この回転運動による床の摩耗については、「信徒が聖なる摩擦によって世界を研磨している証左」として、修繕を一切禁じる布告が出された。
この教団の極端な姿勢に対し、湖畔周辺の自治体からは「観光客が回転する信者に巻き込まれて危ない」との苦情が殺到している。一方でSNS上では、「回転してたら体重が減った(気がする)」「銀河の鼓動を感じる」といった熱狂的な投稿が溢れ、一時的に『マリモ回転』というワードがトレンド入りする事態となった。また、物理学者からは「もし全人類が回転したら地球の自転速度が変わる可能性がある」というマジレスも寄せられたが、教団は「それこそが我々が目指す地球の神格化である」と意に介していない。
マリモ教団、全宇宙の公転を『聖なる回転』に統合 「我々の自転こそが銀河の心臓」と宣言
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おかげで平衡感覚が死んで三半規管がマリモになった気がする