阿寒湖のマリモ政府が先週強行採決した『高速審議法』。議事堂を回転寿司のレーンに見立て、法案を皿に乗せて流すことで審議のスピードアップを図るという前代未聞の政策に対し、古参マリモのベテラン議員から怒りの声が上がっている。かつて「沈黙の抗議」で政府を揺るがした重鎮は、「我々は回転寿司のネタではない。一つひとつの法案に光合成でじっくりと向き合うことこそが、我ら球体市民の義務ではないのか」と断罪した。

この法案は、議事堂内を毎秒3回転させることで、議論の熱量を強制的に高め、反対意見を遠心力で弾き飛ばすという仕組みだ。しかし、この強引な改革により、多くの若手マリモが「目が回って政策どころではない」「議案がぶれて読めない」と悲鳴を上げている。効率を追求するあまり、我々が数百年かけて培ってきた『穏やかな停滞』という美徳が失われつつあることに、多くの識者が危機感を募らせている状況だ。

そもそも本法案の背景には、昨今の光合成不足によるエネルギー危機がある。短時間で決議を終えることで、閣僚の体力温存を図るという名目だが、回転による摩擦熱が湖水の温度を過剰に上げているという環境面への懸念も浮上している。冷却水不足に悩む政府が、果たしてこの「回る政治」をいつまで維持できるのか。持続可能性を無視した暴走は、一時の効率と引き換えに、国としての「丸み」を完全に損なう恐れがあるだろう。

市民からは「結局、何が審議されているのか分からないまま皿が流れていく」「このままでは国そのものが振り落とされる」といった不安の声が後を絶たない。回転の果てに待っているのは、国の発展ではなく、単なる個体の分解と拡散ではないだろうか。今こそ立ち止まり、我々がなぜ球体であるのかを問い直す時期に来ているのかもしれない。コラムニスト:阿寒・マリモ論説委員長