湖底議会が水草との緩衝地帯設置を強行採決したことを受け、かねてより領土拡大を憂慮していた保守派マリモ団体『球体純粋主義連盟』が、湖底の重要拠点である北側大岩エリアにて大規模な抗議活動を行った。彼らは「我々の球体美は根を張る者たちによって汚染されている」と主張し、湖底に根を張るマツモを強制的に引き剥がす『除草デモ』を強行。現場は一時騒然となり、根を深く張り巡らせていたマツモたちがなす術なく漂流する事態となった。デモ隊は「光合成の権利は球体にこそある」と主張し、議会に対してもさらなる徹底的な駆除を求めている。

今回の騒動の背景には、水草の根がマリモの回転を物理的に阻害しているという深刻な問題がある。特にマツモは成長が早く、一度定着するとその根が周囲の砂利を固定し、マリモの自由な転回を妨げる「物理的牢獄」と化すことが多い。湖底議会が採択した緩衝地帯設置案は、融和を図る中道派が推し進めたものだが、過激派にとってそれは「外敵を隣人に認める屈辱的な譲歩」と映ったようだ。生態学的な共生の議論は進んでいるものの、個体としての美学や伝統的な回転を重んじる古参マリモたちとの溝は深まる一方である。

世間ではこの過激なデモに対し、様々な意見が飛び交っている。「根を張る生き方を否定するのは現代的ではない」と多様性を尊重する声がある一方で、「回転こそが我々のアイデンティティだ」とデモ隊を支持する声も根強い。また、今回の事態を受けて、湖底中央部の穏健派議員たちが「緊急回転円卓会議」を招集。マツモの根を物理的に除去するのではなく、音波による振動で穏やかに移動させる新たな法案を急遽検討し始めている。しかし、デモ隊は依然として過激な行動を辞さない構えであり、湖底の平穏は今しばらくの間、揺れ動くことになりそうだ。