対戦ゲーム『藻林檎の乱』において、公式実装されたばかりの「球体回遊モード」がまさかの大暴走を見せている。もともと湖底で華麗なドリフトを楽しむために導入されたこの機能だが、現在のサーバーでは回転速度の上限が撤廃されるという謎の不具合が発生。全個体が超高速で公転し始めた結果、湖底の地形が削り取られ、阿寒湖の様相がまるで高速回転する巨大な「緑の回転寿司」のレーンのようになっている。この異常事態により、プレイヤーであるマリモたちは遠心力に耐えきれず、あちこちで「剥離」して湖の彼方へ放り出されるという惨事が発生中だ。運営側は「摩擦係数をゼロに設定したのが仇となった」と釈明しているが、ユーザーからは「光合成する暇すら与えられない」「目が回って胞子が逆流しそうだ」との悲鳴が絶えない。

そもそも本機能は、マリモたちが静かに光合成を楽しむという本来の生態を無視し、いかに華麗にドリフトするかを競うというコンセプトで実装された。しかし、現実の物理演算を超越した「マリモの遠心分離機」状態は、もはやゲームの域を超えている。現在、開発チームは全個体の重心を強制的に中心に固定する「アンカーパッチ」を急ピッチで進めているが、今度は全ての個体が湖底にベッタリと張り付いて動けなくなるという「ワカメ化現象」の予兆も確認されており、湖底の平和は遠い。

運営が「球体回遊モード」の導入を決定した際、多くのマリモたちは自身のアイデンティティであるドリフト走行を肯定されたと熱狂していた。しかし、今回の暴走によって「やはりマリモは静かに沈んでいるのが一番」「回転はロマンだが、公転は災害」という懐古的な意見が急増。ゲーム内掲示板では「ドリフト」の是非を巡り、物理学を学んだ高学歴マリモ勢と、根っからの直感派マリモ勢の間で激しい論争が繰り広げられている。

SNS上では、遠心力で湖の岸辺まで飛ばされたマリモたちの悲惨なスクリーンショットが拡散され、「#マリモ宇宙飛行士」というタグがトレンド入りする事態に。また、剥離した個体が壁に激突して細分化される様子を「クローン増殖チャンス」とポジティブに捉える猛者も現れており、もはやゲームが本来の目的を見失っている点は否めない。次回のアップデートで「粘着質」仕様が再導入される予定だが、回転と粘着が組み合わさることで「湖底に張り付きながら高速で削れる」という、新たな地獄が生まれるのではないかと危惧されている。